【ケムリクサ考察】第9話 Bパート 中盤

アニメ
【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。

内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、

物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。

※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。

※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、

 遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。

※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。

 

作品の公開順に追っています。

ここでは、第9話Bパートの中盤(りょくの登場)について。

過去の記事こちら

【ケムリクサ考察】まとめページ
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。

第9話 Bパート 中盤

※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て

『ケムリクサ』第9話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。

りょくの目で、わかばを観察

りょくちょっと作り違うけど、ただのヒト型じゃん。」

「ヒト」ではなく「ヒト型」と呼んだことから、

りょくも例に漏れず、わかばを初見で「ムシ」だと思ったようだが…、

このときの言葉が、

「ヒト型のムシ」という意味で言ったのか、

さらに広義で「ヒト型のケムリクサ生物」という意味で言ったのか、詳しくはわからない。

わかばについての見解は、りょう同じことを言っていたので、ここでは省略する。

【ケムリクサ考察】第9話 Bパート 前半
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。ネタバレ必至です。 ここでは、第9話Bパート前半について。

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

このときのりょくと同じことを、1話でりんが行っていた。

【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

どのように見えているのかはわからないが、対象の構造・構成まで判別できるようだ。

りょくの方が、さらに詳しく分析できていた様子なので、

髪(触手?)のも含めた4つの目がある分、能力が高いのかもしれない。

 

りょうたちの葉の仕組み

無駄に使いたくない

りょく「私あんま無駄に葉っぱ使いたくないんだよね。」

わかば「それ、同時には出られないんですか…?」

保存の葉を3人で共有しているのに対し、

りょくは、「無駄に使いたくない」と、さっさと引っ込もうとした。

ここから察するに、

「具現してない者の意識が起きているだけでも、葉のエネルギーを消耗する」

ということか。

だとすると、このときりくを起こそうとしないこととも、辻褄が合う。

仮に全員起きた状態だと、それだけ消費が大きくなるのだろう。

 

葉の内部

りょう「こんな感じで、葉の内部に…」

遮られてしまった重要な発言…。

話の流れから続きを察するに、

「葉の内部に、りょくちゃんもりくちゃんもいるよ。」

といったような事だろうか。

「内部」ということは、それなりの空間が存在しているようである。

 

また、りょうが姿を現さずとも、りょくりょうと会話している様子だったので、

三人はテレパシーのように、脳内で会話ができるのかもしれない。

 

取り乱したりょくを抑えたのは…

自分の日記(ダイダイのケムリクサ)をわかばに読まれているのを知って、

冷静さを失ったりょく

りょく「もう… 殺すしか…!

しかし、直後のシーンでは、わかばと親しげに語り合っている。

ギャグシーンとして片付けられて、この間に何があったのか描かれてはいない

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

わかばが、この世界の仕組み」について、所感や見解を述べたことで、

りょく知識欲を刺激し、「共感」を得たのだろう。

りょく「あんたも一人でそこまで気づくなんて、やるじゃん!」

前後の流れから想像に難くないことなので、あまり違和感を感じない。

切ってもいいシーンをざっくり切るのは、irodori作品によく見られる。

 

りょく「姉妹想い…? お前… やっぱり隅々まで日記読んだんじゃ…!」

やっぱり」と発言していることから、

出会い頭のりょくの剣幕に怯んだわかばは、

とっさに「少ししか読んでいない」とかウソをついたのかもしれない。

案外ずる賢い。

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

地形トーク

わかば「へぇー… じゃあ、やっぱり壁の部分で…。」

りょく「そう思うんだよね! だって明らかにあの先の表記とかあるじゃん!」

ここで話しているのは、恐らく8話のりょくの日記にも出てきた、

島の地形」についてであろう。

あの先の表記」とは、道路標識看板の事か。

【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

【ケムリクサ考察】第8話 Aパート 後半
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。ネタバレ必至です。 ここでは、第8話Aパート後半について。

 

合わせて考えると、

「壁を境界線として、島の地形の繋ぎ目が変」ということになる。

これはつまり、「壁を区画として、地形を抽出した」ということで、

11話で確認できる「透明の壁」が、それに該当すると思われる。

【出典】『ケムリクサ』11話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

壁の境目で、島の繋がりに異常があるような描写は、はっきりとは確認できないが、

3話において、三島に入った直後わかばは

「風景がちょっと変わった」と発言していた。

 

 

高くから見られる”フネ”

わかばもうちょっと高くから見られたら、さらにいろいろわかりそうですよね。

 それこそ、”フネ“みたいなもので。」

高所の船」と聞くと、視聴者は飛行船のようなものを想像するが、

わかばりょくたちにとっては、フネ」とはそもそも「空を飛ぶ乗り物」という認識しかない

海が無い世界なので、

大量の水の上に浮かんで進む乗り物」なんて、想像もできない代物なのだろう。

 

ここのやり取りと、8話のシロの「フネのなか」発言を合わせると、

舞台が空を飛ぶ宇宙船の中であることに気づける伏線となるのだが、

初見で気づける人が、一体どれほどいたのだろうか…。

 
 

記憶の葉の中に移動する策

記憶の葉≠保存の葉

りょく記憶の葉が開けてたら、もっと色々わかるのかもしれないけど…

 あれロックされてるじゃん…。」

りょく「そこで、記憶の葉じゃん! 今は誰が持ってんの?

これらの発言から、りょくたちを保存している葉と、

りんの持っている記憶の葉は、全くの別物であることが示唆されている。

あれ」だの、「誰が持ってる」だの。 ここでの発言は特に、明確である。

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

「裏三姉妹は、最初からりんの所持する記憶の葉を依代にしていた

というような見解をよく見るのだが、これについては考えにくい、と言わざるを得ない。

(少なくともこの時点では。)

そもそもこうした解釈に繋げてしまう要因となる発言は、12話にある。

りょうりんちゃんの記憶の葉の中にね。」

りく「ほんっと鈍いぜ。感触でわかるべフツー。」

【出典】『ケムリクサ』第12話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

りんの所持する記憶の葉の中に、りょうたちが身を宿していたと、明言されているのだ。

しかしこれは、「12話の時点での話」である。

 

9話までは、記憶の葉の所在すら知らず、

12話では、記憶の葉の中にいた

 

では問題は、

いつから

りょうたちは、りんの持つ記憶の葉の中にいたのか」だ。

 

記憶の葉の中に移動したのは、いつ?

そこで、ここでのりょくわかばの会話が重要となる。

わかば「えと… 確か、りんさんが持ってるって、りなさんが…。」

「記憶の葉は、りんが持っている」という情報を、りょくたちはここで初めて入手したのである。

ということは、りょくたちが記憶の葉の中に移動したのは、これより後のこととなるはずだ。

 

また、もう一つりょくたちがここで初めて知ったことがある。

りんたちが、赤い木討伐に向かっている」という動向だ。

ならば、これまで赤い木討伐のために動いていたりょうたちも、

「目的を同じくしたりんたちに付いていけばいい」、と考えるのは至極当然だ。

自分たちのエネルギー消費を抑えることもできる。

しかし一方で、

「一度は死に、先も長くない自分たちが、再びりんたちの前に現れて悲しませるのも、嫌だ」

とも考えていたはずである。

6話でりくが、「(自分たちのことを)りんには言うな」と発言していたことから、これは明確だ。

 

そこで、「姿を現さず、りんたちに同行する方法」を取ることにした。

これこそが、「りんの記憶の葉の中に入る作戦」、なのだろう。

 

つまりこの策は、

状況を把握したここで思いつき、ここで実行したことになる。

 

この推論は、

りょうたちは記憶の葉に入れることを知っていた」という前提が必要になる。

記憶の葉と保存の葉の性質が近しいことにりょくが気づき、

その発想に至ったのかもしれない。

詳しい原理については、全くわからない。

 

タイミングは、九島の壁を破壊した直後?

9話で壁を破壊した直後、りんりょう重なって見えるシーンがある。

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

わかばは、見間違いとでも思ったのか、深く追求しなかったが…。

本作に一貫した特徴として、回想や心象風景などを描写することは一切なく、

架空世界でありながら、現実のように、ありのまま・見たままの情景だけを描いている事が挙げられる。

そのため、このときのりょうの姿が幻覚だったとは考えにくい

つまりこれは、わかばが実際に見た情景であるはずで、

このタイミングで、りょうたちがりんの記憶の葉の中に入ったことを示唆している、

と考えられる。

 

わかばが得た情報

りょくとの会話から、わかばが新しく得た情報を、簡単にまとめる。

・記憶の葉はロックされている。

・記憶の葉は、適当にジャジャっと触れば開ける?

 →10話にて、記憶の葉を開くやり取りに繋がる

【出典】『ケムリクサ』第10話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

・赤い木もケムリクサとして操作できるかも。

 →12話にて、赤い木を操作し、りんを救出する。

【出典】『ケムリクサ』第12話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

「好き」は命より重い

りょく「何かしら確信を知ってから消えたいんだよねー。」

りょく「それより死ぬまでの間で、なるべく色々解明しなさいよ!」

後世に遺せるならともかく、知識を得た自分が死んでは意味がないと思うのだが…。

こうした、「自身の消滅(死)よりも”好き”を優先する」

というあたりが、六姉妹精神面の最大の特徴とも言える。

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

ここまで極端な発言をしているのは、作中ではりょくだけだが、

恐らくは他の姉妹も似たりよったりなのだろう。

 

 

りょくの目

りょく「無理やりちゃちゃっと触ればいいじゃん!」

りょく「そういや今は目もいいのか…。

 あたしの目… あのとき渡すんじゃなかったじゃん…。」

りょくの目の力の譲渡」が、正確にどういった行為によるものなのかはわからないが、

りんりょくの葉」を持っていることと、恐らく関係があるのだろう。

りょくの本体の葉は、位牌(黒水晶)としても存在しているようなので、

何か特別な儀式的なことをしたのだろうか。謎に包まれている。

 

また、りょくの発言は、

「まるで視力が秀でてなければ、無理やりちゃちゃっと触ってもバレなそうな言い方」だが、

視力を得る前のりんは、結構鈍かったのだろうか(笑)。

【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1035542093945438208

 

 

りょくりょうは、「ミドリの枝」をどこで知った?

りょくミドリの枝… 使えばいけると思うけどね。」

りょう「ええー! りっちゃんが大事にしてるんでしょー?」

りつミドリの枝を所持し、大事にしていることを、

六島でミドリの枝を拾う前に死亡した二人が知っているのは、なぜなのか?

 

昔は見守ってた説

単純に考えれば、死後(転生後)りつたちの動向を密かに探っていたから、と考えられるが…、

ずっとそうしていたのなら、6話時点のりくが、わかばのことを知らなかったり、

湖を目指していたことを知らなかったことと、辻褄が合わない。

陰ながらりつたちを見守っていた時期があったとするならば、1話よりも昔の話となる。

そこでミドリの幹の存在を知ったのかもしれない。

 

りくが情報共有した説

あるいは、死後一度もりつたちと接触していなかったのならば、

ミドリの枝を拾ったときに立ち会ったであろうりくが、

りつが好きなもん見つけた」と、りょうりょくにも情報共有していたのかもしれない。

【ケムリクサ考察】第6話 Aパート 前半
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。ネタバレ必至です。 ここでは、第6話Aパート前半について。

6話で、ミドリの葉を確認したことで、その後も枝を大事にしていたであることも、

容易に想像できただろう。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

また、「ミドリの幹は操作できる」ということも、りょくは知っていたようだが、

これはどこで知り得ただろうか。

りょく「(赤い)幹ならミドリと同じだろうから、触れば止められるかもじゃん。」

これについては、七島のミドリの幹が完全に枯れる前に、触れたことがあるのかもしれない。(もちろんりくが)

 

 

次回、第9話 Bパート 後半!

裏三姉妹に関することは、謎が多すぎる。

この3人の公式スピンオフが見てみたいものである。

 

次回! 九島のヌシ、討伐!

 

ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。

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