ケムリクサ 全話視聴した感想 (ネタバレなし)

アニメ
【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

「りんさんは… 何がお好きなんですか?」

「…? そんなものは、無い。」

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

ケムリクサを全話視聴した感想を、最終話(12話)視聴直後の衝動のままに書いていきます。

めちゃくちゃおもしろかったぞ!!

※重大なネタバレは無いように書いています。

 

※全話視聴済みの方は、こちら考察もどうぞ

【ケムリクサ考察】はじまり
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。 ここでは、本編公開前にTwitter上で公開された「はじまり」について。

ゼロから情報を積み重ねて、最後には「名作」へと昇華する

舞台と背景

舞台は荒廃した暗い世界。文明というものはない。

そこで生きる3人の赤髪の姉妹、「りん」、「りつ」、「りな」(下図、左から)。

【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

彼女たちは、外敵アカムシ」を退けながら、

生命活動を維持する「」を探し確保する日々を送っていた。

そこにある日突然、自称ヒトの「わかば」が現れたことで、物語が動き出す

【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

謎だらけだが、情報の出し方が絶妙

はっきり言って、世界観はかなり暗い

その上、ぶっとびすぎていて謎だらけなので、その時点で拒絶する視聴者も多いだろう。

 

わからないことを知りたいと思うのは当然だ。しかしまあ、そんなに焦らないで欲しい

情報は小出しだが、しかし確実に、話数を重ねるごとに世界の謎は解明されていく

むしろそれこそが、このアニメの見どころなのだ。

 

自称ヒトの「わかば」は、この世界について何も知らない状態で現れるので、

まるで視聴者の疑問を代弁するかのごとく、事あるごとに「りん」たちに疑問・質問を投げかける

「それはなんですか?」

「これどうやってるんですか?」

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

しかしいきなり全てを教えてくれるわけではないし、りんたちが知らないこともある

視聴者にとっても必要最低限の情報から少しずつわかっていく

 

物語が進んで新しい”なにか”が登場すると、そこでまた情報は更新されていく

この、

ストーリーの進行度情報量バランスが、絶妙だった。

 

バランスのとれた「ストーリー」と「情報量」

大まかだが、

1話では、「今、どんな状況なのか」

2話では、「『ケムリクサ』とはなんなのか」

3話では、「これまでに何があったのか」

と、少しずつ判明していく。

(もちろん各話これだけ、ということではない。 あくまで大まかな内容。)

 

例えば、1話の冒頭でこれらが一気にドバっと説明されたとしても、

頭の中で整理できないし、それこそついていけなくなるだろう

しかもそれだと「説明だけ」になって、ストーリーが進まないだろう。

 

情報を出しながらも、ストーリーは着実に進む

1話では、わかばが現れる」

2話では、「わかばがきっかけの一つとなって、水を探す遠征に出る

3話では、「過去の遠征をなぞりながらも、これまでになかった異変にも遭遇する

 

多くの謎を残しながらも、話の繋がりがはっきりわかる程度に情報は得られる

何より、「水を見つけて、安全に暮らす」という、りんたちの「目的明確なので、

謎が多くても、見ている人が「何がしたいんだ?」と思うことは、まずならないだろう。

【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

積み重ねるほど増していく「おもしろさ」!

話が進むほど、情報ストーリー積み重なっていく

そして、情報をほぼ積み重ねきった終盤で、それらを怒涛の展開へと一気に昇華させる

 

重ねていくほどおもしろい!

終盤に、それらがまとめて巨大なエネルギーとなって、視聴者に働きかけてくるかのようだ。

その見せ方もまた秀逸なのだから、なおさら凄い。

 

さらに、ストーリーを全て知った上で、改めて積み重ねてきたものを見直してみると…、

自分が知らなかっただけで、実はもっともっと情報を膨らませられたことに気づくのだ。

そしてさらに「おもしろさ」が大きくなっていく

繰り返し見る度に新たな発見があるのは、名作の特徴であると、私は思っている。

私にとって、ケムリクサは「名作」の一つに加えられた。

 

過酷な世界でも「したいこと」を見つけるのが、物語のテーマ

キーワードは「したいこと」

見せ方が上手いだけで「名作」と感じたわけでは、もちろんない

そうした瞬発的なおもしろさだけなら、遊園地のアトラクションと変わらない。

(それはそれで、おもしろいことには違いないのよ?)

 

物語である以上は、「見たものに何を伝えたいか」、すなわち「テーマ」が重要である

この物語のメインテーマは、作中に出てくる言葉を使うと、

“したいこと”を見つけるということだ。

(少なくとも私はそう思っている。)

 

登場人物たちは、皆それぞれ、「したいこと」(好き)がはっきりしている

例えば、

りつは、木を「育てること」。

りなは、知らないものを「食べること」。

反対に、

りつは「食べること」の楽しさがよくわからないし、

りなは「育てること」の良さがよくわからない

自分の「したいこと」が一つはっきりしていて、他の良さは極端にわからない

十人十色の趣味嗜好のようなものだ。

 

したいこと」が物語全体で重要であろうことは、見ていれば誰でもわかるくらいに、

明確に描かれている

各々「したいこと」をしているとき、あるいは語っているときは、

表情にキラキラ光るエフェクトが、わかりやすく入るのだ。

【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

「したいこと」が無いのが一人…

そんな中、最も重要となるキャラクターが、りんだ。

彼女には、「したいこと」が無い

他の姉妹にも、「りんには早く好きなことを見つけて欲しい」と度々言われるのだが、

当のりんは、「みんなが、ただ生きられればいい、と言う。

それを語るりんの表情がキラキラ光ることは、一切無い。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

「したいこと」が無いりんが、じゃあ「異常に見えるか?」というと、

そういうわけでもない

りんたちの生きる世界は、生きるだけでも精一杯なほど過酷だから

戦う力が強く、姉妹を守る立場にあるりんは、自分の「したいこと」を優先することはない

つまり、

「したいこと」が無いわけではなく、見失っている」だけなのだ。

 

しかしそれで本当にいいのか?

あなたにとっての「幸せ」とは、ただ日々を「生きるだけ」なのか?

そんな疑問を、りんに、そして同時に視聴者にも投げかけていると感じた。

 

学業仕事、その他やらざるを得ないことに必死になるあまり、

あなたが本当に「したいこと」を「見失っている」のではないか。

 

生きること」は、「したいこと」をするための「手段であり目的」にするべきではない

りんにとっては、「生きること」が「目的」となっていた。

過酷な世界だから、それは当然だったのかもしれない。

しかしそうだとしても、

したいこと」を見つけて、そのために「生きる」ことができれば、

それが活力となって、明るい未来が切り開いていけるのではないだろうか。

 

自分の「したいこと」、「好き」を見つける

一方で、わかばは皆の「したいこと」の良さを、理解している

「知ること」をはじめ、「食べること」も「育てること」も、様々なことに「共感」できる。

この感覚は、最も人間くさい

そんなわかばが、りんと出会ったことで、りんは「したいこと」について考え始めるようになる

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

りんの本当に「したいこと」とは…?

『ケムリクサ』とは、それを探す物語とも言える。

故に私は、この物語のメインテーマは、

“したいこと”を見つける

ことであると述べたのだ。

 

全てを見終わったとき、りんに対してあなたが感じたこと

それがこの作品のテーマを受けたあなた自身の回答になるだろう。

それを、これからの人生で大切にしていければ良いと思う。

 

※「こんなことを感じた!」というのがあれば、是非とも参考にしたいので、

 このページ下部から、コメントして頂ければありがたい。

 

気になるならとにかく、見てくれ…!!

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

かなりべた褒めだし、結構クサい気もするが(笑)、実際私の感想は、

めちゃくちゃおもしろかったぞ!

と、記事冒頭で述べたとおりなので、自分書いた内容に嘘偽りはない。

 

ここまで読んでくれた方は、すでに全話視聴済みの人か、

未視聴だけど『ケムリクサ』が気になっちゃってる人だと思います。

 

未視聴なら、迷うことはない。

とにかく見てくれ!!

 

もしAmazonプライムに入ってるなら、全話無料で見れるから!

入ってなくても、無料体験期間を利用して、全話見ることもできるから!

『ケムリクサ』をAmazonプライムで視聴する

 

私もまた周回しようかと思います。

 

未視聴なら、ネタバレには気をつけるんだぞ! 絶対だぞ!

 

※全話視聴済みの方は、こちら考察もどうぞ

【ケムリクサ考察】はじまり
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。 ここでは、本編公開前にTwitter上で公開された「はじまり」について。

コメント

  1. トオリスガリ より:

     普段人様の記事にコメントを載せるということがないので、なにか失礼があるかもしれませんが、ブログ主様の記事が私に深い「気付き」を与えてくれたのでコメントさせて頂こうと思います。
     記事内で指摘されている彼女たちの「『したいこと』、『好き』」ですが、彼女たちはお互いに感覚が別れているためか、お互いの「好き」に全く興味がないんですよね。(それこそ私達視聴者にとって強烈な違和感を覚える程に。)でも彼女たちが互いの「好き」を否定するかというとそんなことはなく、むしろりんは「姉さんたちの好きは生きるのに役立つ」「姉さんの「好き」は私達の大事だ」といって互いの「好き」を認め、尊重している。私はここに監督の人間観というかクリエイター観を感じました。彼女たち程ではないにしろ、私達にもそれぞれ「好き」が異なり、お互いの「好き」を全く理解できないこともある。でもだからこそ、その「好き」がそれぞれの「得意」となってお互いを支え合ったり、協力して良いものを作ったりできる。そういうメッセージを私は感じました。また、世の中には自分好みの作品やそうではない作品がありますが、間違っても他人の「好き」を否定してはいけないなと改めて思いました。
     非常に面白く参考になる記事でした。これから時折覗かさせていただきたいと思います。

    • ug ug より:

      >トオリスガリ さん
      コメントありがとうございます!
      いえいえ、失礼なんてそんな。好きにコメントして下さって結構です!

      そう!みんな全く違うものが「好き」なんですよね。
      それをお互いに「わからん」とは言いつつも、尊重しているし、大事にしている。
      なんという優しい姉妹でしょう。自分もこうあらねば!と、気づかせてくれます。

      そして、だからこそ、「共感」って嬉しいんですよね。
      みどりちゃんを褒められたりつ姉のように、背中を掻いてもらったりくのように(笑)。
      「好き」で「共感できる」ってことは、とても貴重な体験なんです。
      他人の「好き」を否定したって、誰も幸せにならないし、
      あるいは「嫌い」で「共感」しても、心が荒んでいく一方です。
      「好き」を強要したって、「共感」は得られないでしょう。
      ネットで世界中の人と繋がれるようになった今の世の中だからこそ、
      純粋な「好き」を、大事にしていきたいですね。

      コメントして頂いたことで、一つ「共感」ができました。これもまた素晴らしい!
      どうぞ今後も、お気軽にコメントしてくださいね~。