アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第1話Aパートの中盤(りなちゃんズ登場から、水の回収開始まで)について。
過去の記事はこちら。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/kemurikusa-55-160x90.jpg)
第1話 Aパート中盤
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第1話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
亡くなった姉妹のケムリクサを、位牌代わりにしている
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/kemurikusa-115.jpg)
【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りなこ死亡後、りんは拠点の電車に戻るが、
りなこの枯れたケムリクサを、黒い水晶(?)に閉じ込めて、持ち帰っている。
それを、まるで位牌として扱っているようだ。
この位牌は、後のシーンでもたびたび登場し、
ここまでに亡くなった5人分ちゃんとあることがわかる。
りつの目にクマができている
みどりの成長を見るに、0.9話と1話の間は、何年も経過している可能性がある。
そして、1話のりつは、Aパート前半でも咳き込んでいたし、
このシーンでは目にクマができていることがわかる。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/kemurikusa-119.jpg)
【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1080461251900170240
『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
あとからわかるが、りつは自身の体では戦えなくなっている。
行動のほとんどは、みどりの根っこを操ることで、補完している。
さらにこれに追い打ちをかけるのが、3話以降のエンディングのシルエットだ。
りくが消えたタイミングから、りつに重なっている線が、明らかに細くなっていく。
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【出典】『ケムリクサ』第3話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
この縦線は、まるで生命力を表しているようなので、
「りつが弱って死にそうなのでは?」という印象を、視聴者に与える。
このシルエットが時系列と連動するなら、
0.9話の時点でも、りつは弱り始めていたということだろう。
りつはなぜ弱っている?
では、りつはなぜこれほどまでに弱っているのか。
りくが死亡したタイミングで、何か変わったことがないか。
「みどりの育成」が始まったのだ。
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【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1080461251900170240
待て待て。
みどりちゃんがりつの養分を吸い取っている、とかそういうことじゃない。
りつは自身のエネルギーを、みどりの根っこを操作するため使っている、
ということではないだろうか。
それが過度なエネルギー消費となるのか、りつ自身の体に影響が出てしまっているのだろう。
つまり、
弱ってきたから、みどりの根っこで補助している、
のではなくて、
みどりの根っこを操っているから、弱っている、
ということだ。
12話では、みどりの本体をりんに渡した後、
今まで座っていたりつが立ち上がり、その後自分自身の体術で戦ったであろう描写があるが、
このこととも辻褄が合う。
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【出典】『ケムリクサ』第12話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
根っこを操ることをやめて、そのエネルギーを自分に戻せば、前と同じように戦えるのだ。
さすがに、目のクマが急に回復するまでには至っていないようだが。
ではどうしてそうまでして、みどりの根っこの力を使っていたのか。
りつは、りょうと二人で「無敵の布陣」と言われるほど、強かったはずだ。
これ以上強くなるために、みどりと融合する必要はないだろう。
りつが欲しかったのは、「防衛する力」、
特に、危機を察知する能力ではないだろうか。
りくが欠けたことで、姉妹は「あかむしの察知能力」が大幅に低下した。
視覚や聴覚で気づけるのは、敵がすぐ側まで来ているときだけだ。
さらにそんな状況で、「私が姉さんたちを守る」と、妹のりんは体を張ろうとするのだ。(0.9話)
だからこそ、
みどりの力を使って、
自身の戦闘力を削いでまで、
あかむしを察知する能力を大幅に向上させたのではないだろうか。
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【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1080461251900170240
「りんを守るにゃ」なんて、のんきに聞こえるが、
その言葉には、計り知れないほどの決意と重みがあったことだろう。
みどりの力で幾度となく姉妹の危機を救ったであろうことは、
このあと続くシーンからもわかる。
あかむしの察知能力は、りくが最高?
りん「姉さんがいなかったら、私達はとっくに全滅してるよ。」
りつ「でも… りく姉だったら…!」
二匹目のあかむしを察知できなかったことで、自分を責めるりつだが、
「とっくに全滅」と、さらっと恐ろしいワードを出してフォローするりんさん。
拠点を構えれば、りつの察知能力は非常に優れたものだったのだろう。
寝込みを襲われる心配もない。
ただ、拠点から離れた位置の察知は得意ではなく、
あかぎりの中に潜むあかむしも、察知できない。
その点、りくの触覚による「熱感知」は、あかぎりの中のあかむしも正確に把握できるようで、
察知能力の鋭さは随一だったのだろう。
りくほどの触覚ではないわかばでも、この後、あかぎり内のあかむしを察知できている。
それでも、ここでりつが自責の念に駆られるのは、見ていて辛い。
りつが、やれるだけのことを十分やっているのは、ここまでの考察を読んでいればわかるだろう。
りなちゃんズ登場!
突如現れる4人の「りなちゃんズ」だが、一人一人個性があり、
私も現時点では、ある程度は判別することが可能だ。
簡単な判別方法は、言動の順番や内容によるもの。以下は私の判別基準。
・りなっち:率先かつ率直にしゃべる。元気。
・りなじ:論理的にしゃべる。賢い。
・りなよ:感情的、捕捉的にしゃべる。サポート上手。
・りなむ:寝てる。けど動ける。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/kemurikusa-116.jpg)
【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
(当然間違っている可能性もあるので、あくまで参考程度ということにしてほしい。)
判別の方法については、既に考察している方が複数いらっしゃったので、参考にしています。
はてなブログに投稿しました
キャラクターの作り方 アニメ「ケムリクサ」考察 誰でも分かる「りなちゃんズ」の見分け方 – がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方 https://t.co/HvOwe4mBVp #はてなブログ #ケムリクサ #ケムリクサ考察 #りなちゃんズ研究会— がんべあ 13フェイズを広めたい (@gunber7) April 3, 2019
「水の量」を「残り時間」と考えているりつ
りつ「りなこちゃんが見つけてくれた“時間”…! ちゃんと活かすにゃ!」
Aパート前半の考察でも示したとおり、りつとりんは、この島で終わろうとしていた。
そのりつが、「時間を活かす」という言い方をしているのは、
このとき既に、再度の遠征の可能性を見出し始めていたからかもしれない。
この発言が、2話へと繋がっていく。
みどりちゃんが届く
りつ「そろそろみどりちゃんが届くから、回収するのにゃ。」
「水が届く」ではなく、「みどりちゃんが届く」という、変わった言い回しだ。
これは、元々水の近くに伸ばしてあった根っこの一部を、回収用に変形させ、
水場から拠点まで伸ばしている途中、ということだろう。
水の回収のために「根の変形」が必要であることは、前半でりんが発言していた。
同時に、水の周りの索敵用の根っこは、さらに強化していたようだ。
りなたちの発言からわかる。
りなっち「水のとこ、大丈夫なのな?」
りなじ「今はりつ姉ねがみどりちゃん伸ばしてるから、出たらすぐわかるナ!」
りなよ「順調、順調だナ!」
「油断」が命取りになった
りん「油断しないように!」
釘を刺すように、二度忠告するりん。
先に述べた通り、水を回収中の根は、索敵能力が落ちる、ということもあるだろうが、
「油断」によって何度か失敗しているのだろう。
自分自身にも言い聞かせているようでもある。
りなこのときも、あかむしは一匹だけだと油断してしまったせいだと、
りん自身は思っているのかもしれない。
また、りょうが、自分の死を「うっかり」とも発言していた。(第9話)
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/kemurikusa-117.jpg)
【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りつは大雑把
りなっち「あっ また瓦礫ごと回収してるナ!」
りなじ「りつ姉ねは大雑把だナ~。」
りつは、姉妹によく「大雑把」と言われている。
この後も、根っこで歩いているときなどに、りなに指摘されるし、
りつ自身もそれは理解しているようだ。
りんはその度にフォローを入れる。
自分の「日記」(ダイダイのケムリクサ)を、
りつが勝手にわかばに渡していることに気づいたりょくも、
「あの姉、大雑把!」と発言している。(第9話)
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【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
過去を振り返るりん
りん「(大規模なあかぎり… りょくのときもそうだった…。
むしの出方は、りくのときと似てる…。
また二体以上来たら、全員動かず、ここで…!)」
りょくとりくの最期については、この発言も参考にして過去に考察している。
りょくの死は、二島初上陸前なので、
「一島に大規模なあかぎりが発生していた」ということになる。
また、「むしの出方」とは、「多方向から同時に出現」したことを指しているのだろう。
りくの死は、六島のガケ上ルートでのことと私は考えているので、
あかぎりだらけで、りくの索敵も追いつかないほど、「多方向から同時に襲われた」と、
当時の様子を推測できる。
りなこを失い、さらに余裕が無くなるりん
りん「(今度こそなんとかしないと…! もう… 今度こそ…!)」
また目の前で姉妹を失ったりんの表情は、より一層険しくなる。
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【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
このタイミングで、正体不明の生物が目の前に現れたら…
問答無用で襲いかかっても、しょうがないね。(笑)
次回、Aパート後半!
今回でAパートを終わらせようと思ったが、長くなったので、「中盤」としました。
次回、ようやくわかば登場! Aパート後半!
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/kemurikusa-152a-160x90.jpg)
引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
もしよければ、右のプロフィールや、記事下のフォローボタンを押してもらえると、タスカル。
筆者のやる気が上がり、更新頻度が早くなります。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/kemurikusa-55-160x90.jpg)
コメント
おもしろいです。スマブラの記事でたどり着きましたが、せっかくなのでケムリクサも見てみました。
今では考察を毎日楽しみにしています!がんばってくださいー
>ぜんじ 様
ありがとうございます。
ということは、私のブログがケムリクサを見るきっかけの一つになったということで、これは嬉しいですね。
スマブラも書きたいことまだまだあるんですが、今私の心はケムリクサワールドに来てしまっています(笑)。
引き続き、よろしくお願いします!