『不滅のあなたへ』アニメ化! どんな話? 【評価・レビュー】

漫画

満を持して、2020年10月から、アニメ化

連載開始当初から追っていたので、嬉しいお知らせである。

 

そんな私が、『不滅のあなたへの魅力を、重大なネタバレなしで、お伝えしていく。

どんな物語?

冒頭を試し読みができるので、まずは読んでみるのが早いと思う。

不滅のあなたへ - 大今良時 / 【第1話】最後のひとり | マガジンポケット
『聲の形』の大今良時が贈る、永遠の旅。真っ白な魂で世界に降り立つ!──現実だけが自分が誰なのかを教えてくれる。だから僕は、旅に出る。

物語の主人公は、「不死の存在」

主人公は、人間ではない

動物でも、そもそも生物であるかも怪しい。

なんと最初は、無機質な球体なのである。 意識すら持っていない。

この、最初は球体の主人子の持つ能力は、「不滅」であること。

また、外から刺激を受けて、そのものの姿形をコピーできること。

そうして、地球のような星に放り込まれた球体は、

まずに、次にに、その次はオオカミに、と姿を変えていく。

【出典】不滅のあなたへ(第1巻) ©大今良時/講談社

まるで生命の進化を一人で追っているようである。

次第に、「意識」や「感情」など、形にし得ないものも獲得していく。

 

はじまりは、人の「願い」に触れたこと

狼となった“主人公”は、やがて雪原の村に一人残された少年と出会う。

少年は、ある「願い」を持っていた。

それは、「村を出て広い世界を知りたいということ。

【出典】不滅のあなたへ(第1巻) ©大今良時/講談社

しかし、少年は願いを叶えることができず、志半ばで命を落とすこととなる。

奇しくも主人公(狼)は、少年の死に目に立ち会うことになってしまった。

 

そこで、少年の最期の想いを受け取る。

それは、「自分の事を、ずっと覚えていて欲しいという願い。

それを聞き入れるかのごとく、主人公は、絶命した少年の姿を獲得する

【出典】不滅のあなたへ(第1巻) ©大今良時/講談社

そしてまるで、少年の叶えられなかった「願い」を受け継いだかのように、

世界に旅立って行くことになった。

 

これが物語のはじまりとなる。

 

不滅である主人公は、「死」すら経験の一つとして、生き続ける。

こうして始まった旅の中で、様々な人に出会い別れ、多くのものを獲得し、

主人公が何を成し遂げていくのか見届けるのが、

この物語の見どころである。

 

 

「感情」を兆しに成長するキャラクター達

物語の見どころは、

不滅の主人公”フシ”と関わった人が、

感情」を大きく揺り動かし、「成長」「変化していくところだ。

『夢』を持った人たち

出会う人は様々で、特異な環境で生き抜いている。

そして彼らはみな、「」を持っている。

 

村の生贄として捧げられる「大人になり母になりたい」少女。

【出典】不滅のあなたへ(第1巻) ©大今良時/講談社

 

怪物と呼ばれる「家族を持ちたい」孤児。

【出典】不滅のあなたへ(第3巻) ©大今良時/講談社

 

無秩序な監獄島で暮らす「作家になりたい」少女。

【出典】不滅のあなたへ(第5巻) ©大今良時/講談社

 

始まりは偶然だったり、成り行きだったり、だったり、これも様々。

その誰もが、何かしら「」を持っており、フシと深く関わっていく。

 

みんなカッコいい

その「」を叶えようと、皆日々を生きている。

そこんところの背景を、じっくりしっかり丁寧に描いてくれているので、

ガッツリ感情移入できるようになっている。

 

「夢」がどれだけ本人にとって尊いものか、よーくわかったところで、

しかし彼らは、その「夢」とは真逆の行動を、我々に見せてくれるのだ。

「夢」とは違う「大切なもの。 言わば彼らの「信念」。

そのために、ときには命も賭ける

【出典】不滅のあなたへ(第3巻) ©大今良時/講談社

フシと出会ったことがきっかけなのか、

始めは単純に漠然と追っていた「夢」ではなく、

その過程で持ち得た「信念」に基づいて行動を起こす。

 

この変化・成長」を見るのが、実に痛快

簡単に言うと、みんなカッコいいのだ。

 

“フシ”もカッコいい

「成長」するのは彼らだけではない。

関わったフシ自身も、彼らから学び「変化」「成長」していく。

短編集的に、舞台と登場人物は変化していくが、全てがフシに蓄積されていく。

始めは動物と変わらないが、徐々に言葉を覚え、感情表現も豊かになっていく。

 

やがて「」という概念も知るし、

命を賭ける人間の「誇り」にも触れ、悩み、葛藤を繰り返す。

カッコいい人間たちに関わって、”フシ”もカッコよくなっていく。

これがまた痛快。

【出典】不滅のあなたへ(第4巻) ©大今良時/講談社

 

 

作者おなじみ、「感情」の描写が細やか

「感情」が伝わってくる描写

劇場版アニメでも有名な『聲の形』が代表作となる作者”大今良時“氏。

今作も、「人との関わり」、それによる「感情の変化」の描写が、

非常に細やか秀逸であると感じる。

 

【出典】不滅のあなたへ(第2巻)/大今良時

他者の命を利用しようとする女性と、それに理不尽を感じる少女。

女性は、少女からの明確な”失望”を感じ取り、動揺し、葛藤する。

 

微妙な表情の変化構図タメが、息が詰まるように張り詰めたシーンを作っている

本作において「感情」は重要なポイントとなっているため、

この高い表現力は、物語に深みを与えてくれる。

 

ワンシーン毎に、揺れ動く感情を読み取るのが、非常におもしろい

 

バトルシーンだって、大迫力

『聲の形』ではあまり見られなかった激しいバトルシーンのスピード感迫力の描写もある。

 

特に”フシ”は、死なないチートキャラなので、

体ごと吹っ飛ばされても、オオカミに変化しながらカウンターしてきたり、と、

実にダイナミックな動きを見せてくれる。

【出典】不滅のあなたへ(第1巻) ©大今良時/講談社

 

こうした激しいシーンはむしろ、

大今良時氏のデビュー作『マルドゥック・スクランブル』を知っている人ならば、おなじみだろう。

(こちらもめちゃくちゃおもしろいので、オススメ)

 

とりあえず、4巻くらいまで読んでみよう

様々なヒトの「信念を目の当たりにし続け、不滅の存在はどう「変化」していくのか。

「命」の重さ、「信念」の尊さ、生きることの意味。

壮大で、深く、考えさせられてしまう、文学的な漫画である。

 

続きが気になって仕方がなくなる。

とりあえず、4巻くらいまで読んでみることをオススメする。

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