2020年にアニメも公開された、『ドロヘドロ』。
一体なにが、そんなにおもしろいのか。
どこが魅力的なのか。
重大なネタバレ無しで、漫画全巻読んだ私が語っていきます。
些細なネタバレすら嫌な人は、
「サンデーうぇぶり」という漫画アプリで全巻読めるので、
こんなレビュー記事より、さっさと本編を読むことをオススメする。
ダーク?コミカル?グロテスク? カオスな世界観が魅力
グロ耐性の無い方はご遠慮下さい
まず初めに言っておくが、この漫画は結構グロい。
冒頭でいきなり一人バラバラに斬り刻まれる程度にはグロい。
グロテスク&バイオレンス。
「そういうの無理!」という人は、読むのはやめておいた方がいいだろう。
こういうシーンは、この後もいくらでもある。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
言い表せない独特な世界
この漫画の世界観を、一言で説明するのは難しい。
とにかく独特すぎるのだ。
冒頭からわかる事実を、ざっと並べてみた。
① 主な舞台は、人間たちの住む町「ホール」。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
② ホールでは「魔法使い」が現れ、人々を襲っている。
③ 魔法使いは、体から「煙」を出す。その煙を使って、魔法を発動する。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
④ ホールの人間と魔法使いは、殺し合いするくらい仲が悪い。
⑤ 魔法使いは、空間に「ドア」を出現させて、ホールに出入りする。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
⑥ 魔法使いは「マスク」をしている。
⑦ マスクを外した魔法使いは、ホールの人間と区別がつかない。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
世界観について、冒頭でわかることは大体このくらいである。
冒頭からして、わけがわからない。
それが……… ドロヘドロ!
「魔法使い」と言っても、トンガリ帽子にマントを羽織った、よくある魔法使いではないし、
舞台となる「ホール」も、中世ヨーロッパ的な町じゃなく、世紀末感あふれる廃墟だらけの町だ。
色々と癖が強すぎる!
変な魔法
そもそも「魔法」も、火を出したり、回復したりするようなものでもない。
一人一種類の魔法しか持っておらず、それがおかしなものばかりだ。
特におもしろいと思ったのが、「人の記憶から生命ある人形を作り出す魔法」。
これがなぜか「普通の食材で料理して魔法のオーブンで焼いたら人形が出来上がる」
という魔法なのである。

【出典】『ドロヘドロ』第2巻 ©林田球/小学館
自分で説明していても意味がわからん(笑)。
だがこの意味不明さこそ、ドロヘドロの魅力。
こうした意味不明な要素が重なり合った世界は、実に独特。
全く新しい舞台や、非日常的な世界が好きな人ならハマるだろう。
「世界観萌え」というやつか。
しかもこれで、世界観だけの話だ。
ここで暴れるやつらは、独特さにさらに拍車をかける。
登場キャラも、変なヤツらでいっぱい
トカゲ頭の男「カイマン」
物語の1コマ目から、インパクト全開で登場するトカゲ頭の男。
主人公が誰かと言われれば、この男「カイマン」になる。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
ナイフの達人で、なぜか魔法も効かないので、めちゃくちゃ強い。
記憶喪失で、自分の頭がなぜトカゲ化したのかを忘れている。
トカゲの口の中には、自身も知らない謎の男がいる。
…
もう一度言う。
トカゲの口の中には、自身も知らない謎の男がいる。
これまたワケがわからないだろうが、これが冒頭でわかる事実である。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
なぜ記憶が無いのか、なぜトカゲ頭なのか、なぜ口の中に男がいるのか。
この辺が、この物語の中心となる。
気になったら最後、完結まで読むしかなくなる。
餃子がうまい女「ニカイドウ」
一緒に魔法使い退治をするカイマンのパートナー「ニカイドウ」。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
素手で銃相手にも勝つ女で、こちらもめちゃくちゃ強い。
餃子を作るのが上手い。
カイマンとニカイドウは、お互いに信頼しあっていて、
この二人のやり取りは、見ていてとても和む。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
魔法使い強キャラペア「心」と「能井」
さらに、魔法使いサイドにも、強キャラペアがいる。
心臓のマスクをした心(しん)と、
そのパートナーでガタイのいい女、能井(のい)。

【出典】『ドロヘドロ』第2巻 ©林田球/小学館
体術だけでも強いのに、強力な魔法も使えて、強すぎでカッコいいお二人。
だがこの二人も、やはり信頼し合っていて、見ていてとても和む。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
主にこの四人がメインキャラ、という印象である。
※ 他にもたくさんいるのだが、割愛とする。
最弱だが癒やしの「藤田」と「恵比寿」
おまけでもう一組挙げておきたい、藤田と恵比寿という魔法使いペアがいる。
こいつらは、めちゃくちゃ弱い。
だが見ていて一番和むのは、こいつらかもしれない…。

【出典】『ドロヘドロ』第2巻 ©林田球/小学館
弱っちい上に不憫な二人を見ていると、応援したくなってしまう。
このように、世界観だけでなく、キャラクター達もカオスにまみれているのだが、
どいつもこいつも、どこか愛嬌があるというか、なんだか和む。
バイオレンスかつ、無茶苦茶なヤツばかり。
だがなぜか和む。
読み進めていくほど、不思議なほど魅力を感じてしまうのである。
それがドロヘドロ。
ストーリー展開も…カオス…!
様々な視点から、真実に近づいていく
カイマンとニカイドウ、二人の視点。
心と能井、二人の視点。
あるいは、藤田と恵比寿、二人の視点。
様々な人物の、あらゆる視点が並行して、物語は進んでいく。
なんだかややこしくなりそうだが、
「カイマンの頭と記憶の謎」を中心に進んでいくので、意外と見失わない。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
…それでも中盤は謎が広がりすぎて、結構ややこしくなるかもしれない。
…が! 終盤では一気に収束していき、読む手が止まらなくなるはずだ。
シリアスとコメディの繰り返しが、癖になる?
和やかな雰囲気が続くと思いきや、
いきなり殺伐とした戦闘シーンが始まり、
カイマンの真相に近づくときは、ホラーそのもの。
こんなことを繰り返し、謎が少しずつ解き明かされていく。
これが言うなれば、まるで闇鍋をつついているような感覚!
ほのぼのした中のスリルが、なんだか癖になる。
シリアスとコメディのバランスが良いのだろうか。

【出典】『ドロヘドロ』第3巻 ©林田球/小学館
世界観もキャラもカオスなら、ストーリー展開もカオス!
それが……… ドロヘドロ!
結局なんだかわからないけど、おもしろい
レビューを書いていて気づいたが、
この漫画は、やっぱりなんだかよくわからん!
ネタバレ無しレビューとなると、尚更だ。
しかし、謎の魅力がある。 それは確かである。
そしてそれは、読んだ人にしかわからない。
あと餃子が無性に食べたくなる。
それが……… ドロヘドロ!
『ドロヘドロ』を読んだら声に出して言いたくなる言葉、
「それがドロヘドロ」。
「サンデーうぇぶり」で、無料で読める
『ドロヘドロ』は、「サンデーうぇぶり」というアプリをダウンロードすれば、
全巻無料で読めてしまう。 なんていい時代だ…。
アプリ内で、『ドロヘドロ』を検索して読もう。
ただし、アプリ内で23時間毎に貰える「チケット」を使う必要があるので、
無料で全話読むには、数ヶ月かかることになるだろう。
一気に読みたい人は、コミック版を買うのをオススメする。
コミック版は、各巻にオマケ短編もあって、世界観やキャラをさらに掘り下げることができる。

【出典】『ドロヘドロ』第1巻 ©林田球/小学館
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