『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)の、
上級者への上達を目指す中級者のためのテクニックの数々をお伝えしていく。
ここでは、『ステップ』の詳しい仕様や、それらを踏まえた実戦での使い方を解説する。
ステップとは何か
『ステップ』とは、ダッシュし始めの状態のこと。
地上において、Lスティックを左右に一瞬はじくだけ。
“一瞬”とは、正確には10フレーム以内。
1フレームでも入力されたら、LスティックをN位置に戻そうが、
一定距離を移動するまで止まらない。
また、入力が10フレームを超えると、「ダッシュ」に移行するため、
LスティックをN位置に戻しても、ブレーキが発生する。
移動距離および速度は、ファイターのダッシュ速度に依存する。
ダッシュが遅いほど、距離も速度も落ちる。
これは、ステップの時間は全員共通(20フレーム)であるため。
例えば、ステップ入力からシールド展開するまでの時間は、
全ファイター同時となる。 (ステップ入力後、21フレーム)
後方にステップしても、移動距離は変わらない。
ただし、ふりむき動作が入る分、移動開始まで2フレーム遅れる。
ステップ終了も、2フレーム遅れる。
しかし、後述する「キャンセル」のタイミングについては、前方でも後方でも変わらない。
※ちなみに『ステップ』は公式用語ではないが、「ダッシュし続ける」状態と区別するために、
プレイヤーの間で汎用的に使われている。
ステップキャンセル
重要なのは『ステップ』中に「キャンセル」(俗に言う「ステキャン」)や
「先行入力」できることにある。
『ステップ』は、開始、中間、終盤で、できるアクションが違う。
それぞれ詳しく説明しよう。
ステップ開始時
はじき入力した直後の状態。(5~6フレーム以内)
キャンセルできるアクション
ジャンプ
ステップの慣性で、前方向にジャンプする。
各種空中攻撃と組み合わせると強力。
横B、横スマ
6フレーム以内であれば、Lスティックははじき入力からそのままでOK。
上B、上スマ
ステップではじいた方向から、そのまま上方向に倒して、攻撃ボタンを押せばよい。
Nに戻す必要はない。
つかみ(ダッシュつかみ、ふりむきつかみ)
ステップ中につかみボタンで、ダッシュつかみになる。
少し離れた前方に、即座につかみにいける。
Lスティックを後方に倒せば、ふりむきつかみにもなる。
前方回避、後方回避
ステップ直後シールドボタンを押すだけで、前方回避になる。
ただし、ステップ開始から、5フレーム以内。
(同時に背面方向にLスティックを入れていれば、後方回避になる)
また、この前方回避発生から、3フレーム以内ならば、つかみをキャンセル発動できる。
通常のダッシュつかみよりも、より遠くに動いてつかめる。
ただし、めちゃくちゃ難しく再現性は低いので、無理に出す必要はないだろう。
(成功すると、前方回避の発光エフェクトが見える)
Rスティック前方向によるDA (ダッシュ攻撃)
※Lスティックははじいてから倒したまま
(Rスティックをスマッシュ攻撃に設定し、かつLスティックをNに戻した場合、3~6フレームは横スマとなる)
後方ステップ(6フレーム以内)
ステップ開始から即座に反対方向にLスティックを倒すと、後方にステップできる。
そのまま立ち止まると、初期よりやや前方に位置することになる。
後方ステップから開始した場合は、初期位置とほぼ変わらない。
もちろんこの後方ステップ中にも、前述の各アクションが可能。
アイテム投げ
リンクの爆弾や、ピーチの野菜などの投擲系アイテムは、ステップ中でも投げることができる。
投げる方向は、Lスティックの方向に従う。(Nの場合は、前方)
実用例
ステップ開始時のキャンセルで、特に覚えてほしいのは、横スマキャンセルである。
上スマやジャンプは、ステップ中いつでもキャンセルができる一方、
横スマは、ステップ中間でキャンセルできないため、開始時キャンセルが特に重要となる。
剣先の強いマルスや、根本の強いロイは、その効果がわかりやすい。
相手との間合いを微調整し、最大火力の横スマを当てるのに適している。
下の動画は、実戦におけるロイのステップキャンセル横スマッシュ(ステキャン横スマ)である。
静止画で解説しよう。
①場外からほぼ同時に着地した両者。(わずかにロイが早い)
ロイはファルコンに、背を向けながら、ふりむき着地。
※『ふりむき着地』については、いずれ取り上げる。
この位置で横スマを当てても、剣の根本には当たらず、撃墜はできない。
②Lスティック右はじきで、右に前方ステップ。
間合いを詰めることができた。
③Lスティックは右に倒したまま、はじき入力からわずかに(このときは5F)遅らせて攻撃ボタン。
横スマがクリティカルヒット。
実際のスピードで確認したい方は、こちらの動画。
パッと見、速く感じるので、「難しい」と思うかもしれないが、
Lスティック右はじき後の攻撃ボタンを、同時よりも一瞬遅らせて押すだけである。
実はトドメの前に、弱攻撃からステキャン小ジャンプ空前も使っている。
ステップ中間
ステップ開始から、7フレーム以降。(~14フレーム以内)
キャンセルできるアクション
ステップ開始時同様に、以下のアクションはキャンセルできる。
・ジャンプ
・上B、上スマ
・横B
・つかみ(ダッシュつかみ、ふりむきつかみ)
・Rスティック前方向によるDA (ダッシュ攻撃)
・攻撃ボタンによるDA (後述する)
・アイテム投げ
アイテム投げは、中間で少し仕様が変わるので、ここで追記する。
ステップから7フレーム以降、ステップと同方向にLスティックを倒したまま投げると、
前に進みながら投げる「ダッシュ投げ」になるが、それ以外の方向では、通常投げになる。
前方に通常投げするには、LスティックをNに戻して投げるとよい。
キャンセルできなくなったアクション
むしろここで覚えておきたいのは、
開始時にはできたのに、中間では「キャンセルできなくなったアクション」だ。
・前方回避、後方回避
・横スマ
・後方ステップ
特に重要なのが、横スマである。
Lスティックはじいてから倒したまま攻撃ボタンを押すと、ダッシュ攻撃となる。
つまり、ステップ開始時の横スマキャンセルをやろうとしても、
6フレーム以内に攻撃ボタンを押せず失敗して、だいたいコレになる。
Lスティックを一度Nに戻し、再度横スマを入力しても、キャンセルはされない。
この場合は、先行入力となり、ステップ終盤のキャンセルとして発動する。
先行入力
ここで言う「先行入力」とは、
ステップ中間で入力すれば、その入力を持続しなくても、
ステップ終盤をキャンセルして発動するアクション、を指す。
以下のアクションを先行入力できる。
上以外のスマッシュ
ステップ後、7フレーム以降にスマッシュ攻撃をするだけ。
前方に横スマするには、Lスティックは一度Nに戻す必要がある。
入力後は、操作を持続しなくても、ステップ終盤にスマッシュがキャンセルされる。
攻撃ボタンを押しっぱなしにしておけば、ホールドされる。
上スマッシュは、ステップ中間でもキャンセルできるので、先行入力にならない。
強攻撃
ステップ後、Lスティックを入力し、間隔をあけて攻撃ボタンを押す。
“間隔“とは、スマッシュ攻撃の”でやすさ”の設定で変わるが、約7フレーム。
前方に強攻撃するには、Lスティックは一度Nに戻す必要がある。
そのため間隔をあけるのが非常に難しく、横スマが暴発しやすい。
コツとしては、最初にLスティックを素早く二回いれてしまい、
ステップ終盤手前で攻撃ボタンを押すとよい。
あるいはオプションで、Rスティックを「強攻撃」に設定しておけば、お手軽。
ただし前述同様、前方横強はLスティックをNに戻さなければダッシュ攻撃となってしまうので注意。
また、ステップ中であれば、Lスティックを前方に倒したまま、Rスティックを後方に倒せば、
なぜか前方に横強攻撃を出すことができる。
慣れればこちらが簡単かもしれない。
※ ちなみに、スティックを斜め上または下に倒して出す、
「シフト横強攻撃」は、 Rスティックではステップ中盤には出せません!
(Lスティック強攻撃であれば、シフトもできますし、
後述のステップ終盤なら、Rスティックでもシフトできます)
弱攻撃
ステップ後、LスティックをNに戻し、7フレーム以降に攻撃を押しておけばよい。
弱攻撃だけを当てたい場合は、攻撃ボタンは押しっぱなしにしておくだけでも問題ない。
先行入力は、弱攻撃から別な攻撃に使いたい場合に活用するとよい。
NB、下B
上Bはステップ中いつでもキャンセルできるが、NBと下Bは先行入力できる。
その場回避
その場回避も、先行入力となる。ただし、ステップ開始から12フレーム以降。
さらに、ステップ終盤をキャンセルはしないため、行動開始は21フレームからとなる。
ステップ中間では地上回避やシールドはできない上、
先行入力してしまえば回避行動を終えるまで行動できないため、注意しよう。
ステップ
ステップも先行入力できる。
後方ステップは、7フレーム以降に先行入力可能だが、
前方ステップは、10フレーム以降でなければ先行入力できないため、注意。
ちなみに、ステップをステップでキャンセルするのを繰り返して移動することを、
俗に「ステステ」などと呼ぶ。
後方回避
後方ステップ操作に加え、シールドボタンを押せば後方回避が先行入力される。
前方回避は先行入力できないが、
前方ステップを先行入力し、シールドボタンを押しっぱなしにしていれば、
ステップ終盤をキャンセルして前方回避ができる。
これは後方回避も同様である。
つまり、ステップ先行入力後に、とっさにシールドしようとしても、
回避行動が暴発することになるので、注意しよう。
ステップ終盤
ステップ入力から、15フレーム以降 (~終了の21フレームまで)。
キャンセルできるアクション
以下のとおり、ほとんどのアクションはキャンセルできる。
・ジャンプ
・全地上攻撃、必殺ワザ
・つかみ(ダッシュつかみ、ふりむきつかみ)
・Rスティック前方向によるDA (ダッシュ攻撃)
・前方回避、後方回避
・ステップ
ステップ中間ではキャンセルできなかった
前方回避、後方回避、横スマ、後方ステップも可能となる。
また、Rスティック強攻撃設定時のシフト横強も可能。
詳細については、前述のステップ中間の先行入力としてほとんど説明済みのため、
ここでは割愛とする。
キャンセルできないアクション
逆に、何がキャンセルできないかというと、
シールド、しゃがみ、
またそれらに派生するその場回避、床すり抜けなども該当する。
ついでに、アピールもできない。
実用例
ガケジャンプするネスに、ロイは前方ステップで素早く近づき、
終盤をキャンセルして横スマを当てたワンシーンである。
これも静止画で詳しく解説しよう。
①ネスがガケつかまりで復帰。
この時点でロイは離れているため、ネスはガケジャンプしようとしている。
②ロイは前方ステップにより、一瞬で間合いを詰める。
またこの時点で、前方に横スマを先行入力しておく。
③ステップ終盤で、先行入力された横スマがキャンセル発動する。
④ちょうど跳び上がってきたネスに、ロイの横スマがクリティカルヒットする。
このように、ガケ待ちでのステップ活用は、実戦において非常に有効である。
相手の意表を突いて距離を詰めたり、
逆に距離を置いて攻撃を回避したり、瞬時に間合いを変化させていこう。
実際のスピードで確認したい場合は、下記の動画を見てほしい。
抑えておきたいポイント
「ステップ」に関する仕様は、概ね以上となる。
筆者単独での検証のため、不明や不足があれば、遠慮なくコメントして頂ければ幸いである。
ここからは、ステップの使い方に関する、筆者個人の意見・考えになる。
必ずしも正しいわけではないことを、予めご了承頂きたい。
『スマブラSP』におけるステップの利点だが、
前述の実用例で示したとおり、瞬時に間合いを変えられる、という点、
そして間合いを変えながら、先行入力により素早く次の行動に繋げられる、という点だろう。
まずは、ワンステップから的確なアクションを繰り出せるよう、練習を積み重ねよう。
ステップを連続(ステステ)する継続的な移動方法としては、それほど有効ではない。
なぜなら、ダッシュ移動の方がより速く、ダッシュ中でも各攻撃が可能だからである。
ステップ中にはできないシールドや、その場回避も、ダッシュ中では可能だ。
常にステステで移動してしまうのは、逆に自分の行動を制限することになりかねない。
ステステがダッシュより優れた点は、反転ブレーキせず、瞬時に方向を変えられる点。
故に、相手と間合いがある程度近い場合において、
緩急をつけた移動や、近づくと見せかけて急転換で距離を取る、
そういった揺さぶりに、非常に有効であるといえる。
ステップの利点だけでなく、欠点も熟知した上で、
状況に応じてダッシュと使い分けできるようになれば、相手を翻弄することができるだろう。
早速次回は、ステップと合わせて活用したい、『ダッシュキャンセル』について、取り上げよう。
コメント
最速DAを出すつもりが横スマッシュが出てしまい大ピンチということが多かったので右スティックでDAを出せることがわかってとても助かりました。
練習中に気づいたのですが、シフト横強はステップからは出せないみたいです。シフト入力をしても普通の横強になります。
ありがとうございます。
確かに…! 上下シフト強攻撃については、盲点でした!
記事中でいうと、「ステップ中間」(7~14F)では、Rスティックによる強攻撃では、シフト不可能のようですね。
一応、Lスティックによる強攻撃は確認できました。難易度高すぎですが…。
「ステップ終盤」(15F~)では、Rスティックでのシフト強を確認しました。
記事修正しておきます!
ありがとうございます!
ステップが始まるまでの予備動作中(1F〜4F)にシールドボタンを押すと緊急回避キャンセルがでます。
この方法で入力した前回避は3F以内まで掴みでキャンセルでき、回避キャンセル掴みと呼ばれてます。
ありましたね! そんなテクニックが!
私じゃ再現性が低すぎて、実戦で殆ど使ったことがなかったので、忘れてました。
記事に追記しておきました! ありがとうございます!