ソシャゲになった、FFT(ファイナルファンタジータクティクス)。
それが、『FFBE幻影戦争』である。

【出典】『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』公式HPより © 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Co-Developed by gumi Inc.
簡単に、本作品の紹介とレビュー・評価を行っていく。
タイトル | WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争 |
開発 | gumi、スクウェア・エニックス |
対応機種 | Android、iOS |
リリース日 | 2019.11.14 |
ジャンル | シミュレーションRPG |
価格 | 基本無料 |
FFTの世界観を楽しめるスマホゲー
FFタクティクスとは
シミュレーションRPGとして1997年にPSで発売し、高い評価とセールスを記録した『FFT』。
そしてそれを2007年にPSPでリメイクした『FFT 獅子戦争』。
『FF』らしい王道ファンタジーとは一味違い、
身分差別、覇権争い、裏社会、それらを取り巻く戦乱…等々、
ほの暗く重々しい世界に焦点を当てている。
陰鬱ながらも高いストーリー性に、多くのプレイヤーはこの世界観にのめり込んでいった。
そして、本作『FFBE幻影戦争』は、この「FFTの世界観」を引き継いでいると感じた。
政治的で重々しいストーリー
まずストーリーからして、
「剣と魔法おなじみワックワクの大冒険」、
なんてことは一切なく、
王位継承とか隣国との動乱とか、
「これぞFFT」と言えるような、政治的で重々しい部分に焦点を当ててくれている。
またその見せ方、つまりイベントシーンも、
バトルシーンと同様の、クォータービュー(斜め上視点)のフィールドで繰り広げられる。

【出典】『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』© 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Co-Developed by gumi Inc.
一枚絵やムービーではない。
往年のファンは懐かしさを感じることができる、嬉しいこだわりである。
ちなみにボイス付き。
シナリオが重視されないスマホゲーが多い中、ここまでこだわってくれているのなら、
いっそのことアプリではなく据置(家庭用)ゲーム向けに出して欲しかった、
というのが、正直なところである。
高低差と行動順がある、おなじみの戦闘システム
戦闘システムに関しては、これもまた『FFT』をうまく受け継いでいる、と言えよう。
フィールドの高低差や、ユニットの行動順によって生まれる戦略性は健在だ。
さらに本作では、攻撃タイプの優劣、属性の優劣、攻撃方向の優劣なども加わり、
盤上の情報が、より複雑に絡み合っているのだ。
故に、最初はややこしく感じて難儀するかもしれないが、
チュートリアルは充実しているので、心配はいらない。
中でも、『初心者の館』という初心者用クエストでは、
こうした多くの戦術要素を一つずつ手軽に学ぶことができ、
おまけにクリアすればアイテムまで貰えるので、いたれりつくせりだ。

【出典】『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』© 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Co-Developed by gumi Inc.

【出典】『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』© 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Co-Developed by gumi Inc.
それでも難しいと感じる初心者や、操作そのものが面倒だったりする人には、
戦闘を「オート」で進めることも、ユニット編成も「おまかせ」で最適化することも可能だ。
お手軽プレイ機能はとことん充実している。
難易度に歯ごたえが欲しい人は、多少のしばりプレイを課して挑んでみるといい。
残念なところ
先ほど、「アプリなのが惜しい」と述べたが、
そう思う理由が、実は他にもあるのだ。
それが、操作性と、ガチャ要素に関するところだ。
戦術要素が充実している故の弊害
スマホ専用のアプリとなると、当然操作は、タッチ操作のみ、となるのだが、
情報量の多い本作のようなゲームに、タッチ操作は不向きであると感じた。
確認・操作の要素が増えると、
必然的に画面内のアイコンが細かくなったり、配置に難が出たりするわけで、
それにより誤操作を招きやすくなる。

【出典】『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』© 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Co-Developed by gumi Inc.
コントローラー操作の方が、サクサクできそう、と思うところは、多々ある。
とはいえこの辺は、慣れればどうということもなくなるわけだが。
避けられない、ガチャシステム
基本無料のスマホゲーであるからこそ、避けられないのは課金要素。
つまりは、ガチャシステム。

↑ちなみに、FFTの主人公ラムザも、コラボユニットとして出現する。
【出典】『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』© 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Co-Developed by gumi Inc.
プレイヤーがどれだけ戦略を学ぼうとも、結局はここに寄るところが大きくなってしまう。
こんなことは、あらゆるソシャゲにも言えることだが…。
本作においては、ストーリーや戦闘システムをしっかり作り込んでいるからこそ、
そこにガチャを入れ込むのは、無理があるし、もったいないと感じてしまうのだ。
決して「ガチャそのものが悪い」というわけではないが、
本作が、据置向けのゲームとして作られていたならば、
タクティカルシミュレーションRPGとしてさらに完成度の高いものになっていたのではないかと、
期待をしてしまうのだ。
FFTが好きor興味があるなら、プレイして損なし
ともあれ、「スマホアプリとして生まれ変わったFFT」として、
本作は非常に丁寧に作り込まれた作品であると感じた。
開発陣も、「FFTを意識して作った」ということらしく、
そこも納得である。
難易度の高いクエストや、対人戦(マッチバトル)も用意されているので、
やりこみ要素は多く、長く遊べる作りになっているのではないだろうか。
「FFTの世界観が好きだ」
「FFTをプレイしたことはないが、興味がある」
という人は、ひとまずプレイしてみて損はないだろう。
このゲームが上手くいってくれれば、
改めてFFTを移植・リメイクしてくれたり、
正統続編を作ってくれたりするんじゃなかろうか。
そうであって欲しい。
コメント