アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第2話Bパートの後半(旅立ち準備完了から)について。
過去の記事はこちら。

第2話 Bパート 後半
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第2話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
見張りを進んでする、りなじとりなよ
りなじ「りなじは賢いから、上で見張るのナ!」
りなよ「りなよもりなよも~。」
りなは遠くはよく見えないので、高台からの見張りはあまり適役ではない。
もちろん、いないよりは、いてくれたほうがずっといい。
ここではどちらかというと、
「久々の遠征にテンションが上がって、上に登った」という感じだろう。
特にりなよは、りなじに便乗しているあたり、それが顕著だ。
そもそも見張りに、賢さは必要ないだろう(笑)。
それでも言ったからには、ちゃんと見張りをしていてくれている二人。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
気迫のあるりん
りん「島を出る前に、話しておくことがある。」
わかば「あ… はい…。」
りん「……。」
わかば「え…? 話って…あ…
これもしかして、処理される流れ…ですか…?」
この後は、むしろわかばにお礼を告げているのに、
「処理される」と勘違いされるくらい、気迫のある表情をしているりん。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
なぜわざわざここで気迫を出しているのか。
これは、
「毒」にかからないように注意していた
のかもしれない。
以前の考察で、このときのりんは、
「わかばと面と向かって会話すれば、毒にかかる」と勘違いしている、
と推測した。
ここで大事なことを伝えておこうと、
いざ面と向かって話すために、気合いを入れていただけだったのかもしれない。
ようやくお礼を言えたりん
りん「お前のことは信用していない。 怪しい動きをしたら、すぐに処理をする。
くれぐれも… 覚えておけ。
だが… 今回は、お前が一つのきっかけになった。
それと、お前の動きでりなよを救うことができた。
助かった。」
要約すると、
「あんたのことなんて全然信じちゃいないんだから。
でも一応お礼は言っとくから。 ありがと。」
と言ったところだ。
ここで初めて、1話でりなよを救ってもらったお礼を伝えたりん。
最後の「助かった。」が、このとき一番伝えたかったことだろう。
回りくどい!
だがそれがいい。
毒を警戒するりん(再)
わかば「い…いやぁ~、よくわかりませんし、何もしてませんが…
でも! りんさんに良いことがあったなら、良かったです!」
Bパート前半の考察で先に取り上げたシーンである。
とりあえず処理はされない、と安心したわかばが、
りんに対して話し始めたところで、りんは毒を警戒し、横を向いてしまう。
これに至る経緯は、上記の考察にて。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
「死ぬ」という言葉が初めて登場
りん「島から出ると、だいたい誰か死ぬから。
今回はお前から死ぬだろうし、先に言っておこうかと。」
淡々と怖いことを告げるりんだが…
これは別に、「わかばをビビらせよう」とか、そういう下心があったわけではなく、
事実を事実として伝えているだけなのだろう。
「死ぬ」という直接的な単語が出てくるのは、実はここが初めてである。
あかむしに襲われて、それなりに命の危険も覚悟していたわかばだろうが、
「確実に死ぬ」と面と向かって言われると、さすがに青ざめた。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
死ぬのは嫌だけど、外に出るのは嫌じゃない
わかば「えぇ~! そんなぁ~! そこまで危ないんですか!?
し…死ぬって! あ、でも外の島ってどうなってるか見たい。
いや!でも… やっぱり死ぬのは嫌だなあ…!
あー!めっさ迷う! なんだこれはぁ!」
「死ぬ」のは本当に嫌だけど、
「やっぱりやめましょう!」とかを進言するつもりは全くなさそうなわかば。
「死ぬけど新しいものが見れるならいいかも」くらいには、前向きに傾いている。
その様子を見て、
再びりんの表情は柔らかくなっている。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
なぜこのとき、少し表情がやわらいだのか。
このときのりんの心境を考えてみよう。
7話でりつは、昔のりんについて、
「元々わかばみたいに、知らないところを探検するのが結構好きだった」
と語っている。
しかし新しいところに行くたびに、姉妹の「死」があった。
恐怖が付きまとった。
つまり、りんにとって島外とは、
「楽しみではあるけど、死ぬのは怖い」、
そういうものだった。
これは、このシーンのわかばの心境と、
ほとんど同じものだ。
「死ぬのは嫌だけど、楽しみ」、
と前向きに葛藤しているわかばに、
りんも無言で共感していたのではないだろうか。
そして進行方向に向き直り、「いくぞ!」と意気込むりんの言葉は、
心なしか少し明るい。
りんもわかばのように「楽しみ」の気持ちの方が、上回ってきたのかもしれない。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
2話終了! そしてオープニング!
2話ラストで初めて、オープニングが流れる。
もちろんその内容も考察したので、こちらからどうぞ。

次回、第3話Aパート前半!
物語としては、次回は第3話!

2話ラストで流れるオープニングの考察は、別途行うので、それも見て欲しい。
ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
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コメント
見張りに賢さは必要ないというか、見通しのよい上から辺りを見張るという発想が浮かぶ自分は賢いということをアピールしているのでは?
めっさ迷う!のところのポーズって変なポーズだと思っていたけれど同人版で新たな地へ向かうラストシーンでわかばがやっていたポーズと同じなんですね。
こちらも新世界へのプロローグといった感じ。
なるほど、そうかもしれないですね。
何かと賢さをアピールするりなじですからね。
そう!ここはセルフオマージュ、ということなのか、旧ケムリクサとほとんど同じなんですよね。
二つの世界に繋がりはないので、触れないでおきましたが、全くそのとおりだと思います。
ここでオープニングを入れるあたり、「ああ、こっから新しい物語が始まるんだな」と思わせてくれましたね。