アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第5話Bパートの中盤(六島のガケまで)について。
過去の記事はこちら。
第5話 Bパート 中盤
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第5話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
六島のガケ
りん「アイイロが元気な内に見えて良かった。 六島だ!」
わかば「はー!あれが…! 凄いガケですね!」
巨大なガケを目印に、そこから「六島」と呼称しているようだ。
しかしそもそも、なぜそんな巨大なガケができたのか?
この答えは、これまでの考察を辿ってきたなら、容易に想像がつく。
ガケがせり上がったのではなく、手前の四島が沈んでいるのだろう。
六島に初めて訪れたとき(0.8話と0.9話の間)にもガケは存在していたようなので、
そのとき既に、六島と四島の地表高さに差ができていた。
六島が沈みにくいのは、七島の大木の根が、六島の地下に張り巡らされていたためだろう。
六島のガケで、みどりの枝を発見した事実から、
そのあたりまでは、根や枝を伸ばせていたはずなのである。
簡略図で示すと、こんな感じだ。
四島と六島の境目は、元々あったわけではなく、
大木の根っこによって、地盤の強い場所と、弱い場所が生まれ、
結果的に出来上がってしまったガケが、後付けで境目と判断されただけだったのかもしれない。
六島のガケの上には、町並みらしき風景も見えるので、
四島も元々同じ高さにあったのだろう。
捕捉: 四島と六島の境界
りんたちの持つ地図において、
四島と六島だけは、他と違い円で囲うことができず、違和感があったのだが、
この原因も、境目が後からできたため、と考えられる。
この地図をどこで入手し、どうやって加筆されているのかは不明だが、
各島の円は、ワカバが抽出した(作業した)エリアであると考えている。
抽出の葉(蓮の葉)が、円の形どおり巨大なものなのか、
そのエリア内で複数枚を密集させているのか、はっきりしたことはわかっていない。
あかぎり下に葉脈らしきものを視認した、わかば
上の推論が正しければ、四島は、船の底にかなり近い位置にあることになる。
底を視認しやすい、ということだ。
このときわかばは、あかぎりの下に、葉脈のようなものがあることを確認している。
9話において、九島の山の手前で、同じく葉脈のような陸地を歩いていた。
このときわかばも考察したとおり、
四島の底にも、あかぎりが濃くなければ同じものが見えたと思われる。
この葉脈が、地盤のさらに下の基礎のような役割をしているようだが、
これらも、あかぎりによって崩れていっているようなので、
さらに下(船のどん底)がどうなっているかは、わかっていない。
葉脈の形は、12.1話の世界で、頭上に浮かんでいた蓮の葉とも似ているため、
何かしら関係があるのだろう。
みどりを褒めちぎる
車庫でのりつの涙の告白を見るに、
今まで、「面と向かって、みどりを褒められる・感謝される」ということが無かったようである。
りんたちが感謝していなかった、というわけではない。
2話、姉妹についてわかばに語る際、「いつも助かっている」と言っていた。
「直接感謝を告げる」、ということが、ほとんど無かったというだけだ。
そして車庫でのやり取りを経て、
この「直接感謝を告げる」ということが大事だと知ったためか、
りんとりつも、ここぞとばかりにりつとみどりをべた褒めし始める。
りな「わかば、ほとんど乗ってたナ! りつ姉ねとみどりちゃんに感謝するナ!」
わかば「いやあ、ほんとそうです。 ありがとうございます! りつさん!」
りん「姉さんが育ててるんだからな。当然だ!」
りな「そうだナ! わかばももっと拝むのナ! 褒めるのナ!」
わかば「はい! ほんと凄いです! 綺麗です!」
ここで、りつが赤面していることに、りんが気がつき、
自分と同じ毒を受けたかと勘違いするのだが…
ここまでの流れでわかる通り、これは恋愛感情による赤面ではなく、
照れによる赤面だろう。
わかばを咎めるりんだが、
今回はあなたも原因の一人になってますよ。
ところで、褒めちぎられて赤面するりつ姉の船堀パロ、誰か描いて
なんと描いてくれる方がいらっしゃいました。↓
#ケムリクサファンアート#ケムリクサ ここが好き。
5話後半、わかばを筆頭にたくさん褒められて赤くなるりつ姉が尊い‼️
りつ「はっ! これが 毒ニャ…?」
りん「お前! また何かしたのか❗️💢」 pic.twitter.com/pqXGe9w32n— 風原 士郎 (@shirou_kazahara) June 15, 2019
ありがとうございますw
つまりこういう感じですね。
りんの判断に全幅の信頼を寄せる、りな
わかばに久々に敵意を見せるりんだが、
りなは、そんなりんを見て、ワンテンポ遅れてわかばを警戒する姿勢を見せる。
「毒についてはよくわかんないけど、りん姉ねがそう言うなら、
たぶんそうなんだナ!」
というような考えを、この一瞬、巡らせていそうである。
少々極端な言い方だが、
姉たちを信じてさえいれば良い、というのが、
この時点でのりなの考えであったと思う。
車庫からガケまでの時間
わかば「あれは… さっきの白いの?」
車庫手前にて、空橋のことを「こないだ」と言っていたので、
少なくとも1日以上は経過している様子だった。
一方今回、ガケで再会したシロのことは「さっきの」と発言しており、
車庫からガケまでは、1日も経っていない様子である。
「助かる」という言葉に反応するシロ
わかば「地図か…。 言ったことのないのもあれば、助かりますよね。」
シロ「(タスカル?)」
地図があれば助かる、というわかばの発言と意思に反応したような、シロ。
車庫においても、
わかばが車輪の代わりを探しながら、
「あれば助かりますよねえ。」と発言した直後に、
シロが現れた。
同じく「タスカル?」という文字を表示させながら。
シロ(ヌシたち)は、元は「ヒトを助ける」ために作られたのだろう。
だからシロは「助ける」ということに強く執着している。
言うなれば、
シロは、誰かを「助けること」が「好き」
なのかもしれない。
そして優先すべきは、マスター(船長)である「ワカバ」ということなのかも。
何を持って、わかばを船長であると認識したのかはわからないが、
船長ワカバと同一であると見なす何かが、わかばにはあったのだろう。
単純に姿形や名前からなのかもしれないが。
11話においては、りりの身の回りを手伝っていたようだが、
あれもりりを助けようとしていたか、
もしくは、りりを助けるように、ワカバに指示されていたか、どちらかだろう。
とにかくシロは、「助けること」が好きなのだ。
ところで、これ以降、
しばらくシロとは会わないのだが、一体どこに行っていたのだろうか…?
次回、第5話 Bパート 後半!
次回!
六島の穴、入り口にて!
ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
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筆者のやる気が上がり、更新頻度が早くなります。
コメント
考察ありがとうございます。
大正義kawaiiりつ姉のテレ顔の件、思わず挑戦してしまいました!
ugブログTwitterに返信リンクしましたのでよろしければ是非。ww
◆4島が地盤沈下するほど解体されていたのは、どうしてだったんでしょうか。
7島側から侵入出来なかったアカムシたちが4島側の地下から6島経由で侵入しようと頑張っていたからなんでしょうかね。
それとも、1島方面に移動したみどりちゃんの幼体を追って先回りしていたとか。。?
◆4島と6島を隔てていて、現在崖になっていた壁、あの穴を開けたのは誰なんでしょうか。
私的には、7島のみどりの根がみどりちゃんを逃がすため穴を開けて、その後力尽きたと思っていたんですが、それだと枯れた根そのものが無いといけないですよね。。
穴を開けたみどりの根がみどりちゃんに変化したからなのか。。?
それとも、一行が壁の上にいた間にりょう姉が開けたとか。。?
それにしても、ああシロかわいいデス!ww
ありがとうございますw
せっかくなので、記事内でも紹介させてもらいました。
問題あれば言ってください。
◆四島の沈下が激しかったことについては、
単純に、三島以前の島より、赤い木側に近かったせいかな、と解釈しています。
九島の山のふもとは、原型を留めていないくらい荒れていましたね。
八島は、位置が高かったから、
十島は、構造が複雑だから、赤い木に近くても、そこそこ形が残っていたのかな、と。
七島より向こうのあかぎりが、どこを通って六島側に来てるのかはわかりませんが、
りりが一島に転送されてから、たった10日で一島まで霧は到達していたので、
結構簡単に突破されてしまったのでしょう。
湖は守れましたけどね。
◆あの地下道は、現実にモデルとなった地形(梅田地下街)があることから、ワカバがコピーした時点で、元々存在していた、
と考えています。
たまたまあそこから切り取られたようになっていますが、
四島にも同じような地下道が続いていたのではないかと思っています。もう崩れて沈んでますが。
元々の地下道とは別に、みどりの根が開けたであろう道もあるようですが。(6話後半)
純真無垢なシロも、これから自分の「好き」を見つけていくのが、アツい。