アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第4話Aパートの中盤(三島のあかむし遭遇から討伐まで)について。
過去の記事はこちら。
第4話 Aパート 中盤
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第4話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
りつの索敵、りんの捕捉
りん「このあたり… 見通しが悪い。 少し、ゆっくり進もう。」
りつ「小さいのだけど、数体いるかも…!」
りん「どのへん?」
りつ「そろそろ見えると思うにゃ!」
りん「正面だ!」
りつ「わかったにゃ!」
りんに見えない敵は、りつが探る。
りつが探った敵を、りんが捕捉する。
りつ「そこにいるので全部にゃ!」
りん「わかった! いく!」
りんが聞くまでもなく、りつは状況を報告。
りんは、不安要素無く、目の前の敵に専念できる。
まさに阿吽の呼吸。
迅速かつ正確な連携、
しかもうろたえる様子も一切なく、冷静そのもの。
お互いの高い信頼と、
これまで相当の場数を踏んでいるであろうことが伺える。
りなの防衛
電車を止め、敵の前に進むりん。
このとき、りなたちはどうしていたかというと、
敵と戦おうとはせず、電車の上に登った。
そして、水を守る配置を取った。
万が一にでも、こんなところで水を失ってしまったら、
その時点で、遠征は終了だ。
現時点で最後の水なので、全員の命がここで終わる。
それをよくわかっているからこそ、
誰に指示されたわけでもなく、りなは無言で動く。
1話のりなこの行動を見てもわかるとおり、
水を守るために、自らの命を散らす覚悟はできている。
1ターンキル、りんさん
りんが戦闘において優れているのは、パワーだけではない。
スピード、そしてそれを活かす機転もまた、りんの強みだ。
ここの戦闘では、そのことがよくわかる。
追って見てみよう。
① 距離を詰めながら、先頭の敵の急所に、みどりの葉弾を当てる。
② 突進の速度を緩めず、右手には既に、みどりの葉ソード。
二体目の敵は飛び上がったが、これを正確に捕えている。
③ 体軸ごと回転させ、全体重で一刀両断。
④ 体を一回転させながら、右手の武器をソードから拳に切り替える。
真下に来た三体目の敵を見据えている。
④ 全体重で、拳を打ち込む。(コンクリートの地面に穴ができる威力)
戦闘終了。
りんの先制攻撃から、
3回攻撃の1ターンキルである。
敵は何もできずに、やられる…。
実際に目の当たりにしたら、本当に一瞬の出来事だろう。
わかばがドン引きするのも、無理もない。
本来の「毒」の意味を知る、わかば
わかば「これ! みどりさんですよね?
この色があかむしには毒なのか…。」
「みどりの葉が、あかむしにとって毒である」と、
本来の「毒」の意味を知っている、わかば。
これも、以前のワカバの記憶によるものだと思われる。
後ほど、りなから直接「毒がある」と罵られるが、
わかばはその意味が理解できず、すれ違いが生じている。
りなっち「見たくないんじゃないかナ?」
りなじ「お前、毒あって不味いからナ。」
わかば「ええっ!? なんですかそれ!?」
毒が不味い?
ところで、りなの「毒」=「不味い」と言う認識は、どこで得たのか。
単にイメージの話なのだろうか。
現実で毒薬を味見したことなんて、普通はあり得ないが、
「美味しいわけはない」というイメージを、多くの人は持っているだろう。
(実際は、無味無臭だったりする)
あるいは、実際にわかばを食べようとしていたのか…?
1話でも、食べていいか問いていた。
みどり使用のりんより強い、りょう
りん「こ… こんなもの…! りょうに比べたら、大したことない…。」
りつ「りんも天才的なのにゃあ。」
りんは、みどりの葉を、弾に、刃に、拳に、と、
遠・中・近距離に応じた武器として使い分けていた。
これができるのは、作中で見る限りは、りんだけだ。
りつは、みどりの根そのものを操作するし、
りなは、みどりの葉のエネルギーを、自身の「食べる」「取り出す」能力に使うのみ。
この点が、りんが天才的と言われる理由だろう。
一方、謙遜からかもしれないが、
「りょうより大したことない」と、りん自身は言う。
りょうは、みどりの葉を使ったことはないはずだし、
「使わない」と宣言もしていたとのことなので(第3話)、
みどりの葉を使ったりんより、本体の葉だけで戦うりょうのほうが、
攻撃力の面では高い、ということだろう。
防御力も含めた総合的な戦闘力なら、
りょうの言う通り、「りんのほうが強い」のだと思われる。
「ヌシ」について語る、りな
りなっち「甘いナ~、わかば!」
りなじ「さらにでっかい、つっよいのがいるナ!」
りなよ「ヌシだナ!」
わかば「ええっ!? そんなの、皆さんどうしてるんですか!?
ヌシに会ったら…!」
りな「……。 とにかく逃げるんだナ!」
4話冒頭のやり取りでもわかるように、
わかばの知らないことを教えて、姉的立場にありたい、りな…!
4話後半では、りつが「六島で出た」と発言していることから、
りなも、ヌシを見たことはあるようだ。
わかばが食いつく情報を与えられたものの、
「出会ったらどうする」という質問に対し、一考している様子。
このとき、3人いたりなは、1人にまとまっていたようだ。
りなの中で、りなっち・りなじ・りなよの脳内会議が行われていたのだろうか(笑)。
りょう・りく・りょうも、一枚の葉で、似たようなことをやっていた。
「どうしてたんだっけナ?」
「倒したのはりょうちゃんだけだったナ。」
「わかば、興味津々だナ。」
そんなやり取りが、このとき中で行われていたのかもしれない。
なお、りょうがヌシを倒したときの状況の考察は、
過去に行っているので、合わせて読んでみてほしい。
りんは、ヌシがトラウマ?
りつ「わかば君… ヌシの話は、りんの前ではしないであげてにゃあ。」
わかば「え? ええ、わかりました。僕も考えただけで怖いですよ。」
りつ「そうにゃ。……。 ちょっとね… 気にしててにゃあ。」
わかばはいまいち理解できていないが、
りつの発言から、
「ヌシの話題は、りんのトラウマを掘り起こしてしまう」のだと、容易に想像できる。
「ヌシを倒したのは、過去にりょうだけ」
「そのりょうも、ヌシにやられている」
「自分はなにもできなかった」
この事実だけでも、りんにとって十分トラウマとなり得る。
さらに、六島でもヌシに遭遇していたとしたら、
そのときもりんはなにもできず、りくはヌシにやられてしまったのかもしれない。
りくの最期についても、過去に考察しているので、合わせて読んで欲しい。
ヌシが現れると、必ず誰かが死ぬ。
自分が見殺しにしてしまう。
りんが「気にしていること」とは、こういった事かもしれない。
せっかく、前向きに進み始めたりん。
そのきっかけになったわかばから、それを阻害するような話題を出してほしくはない。
そんなりつの気遣いに、いち視聴者として痛み入る。
次回、第4話Aパート後半!
りん、りつ、りなの三人の関係性がより深まる、4話Aパート。
次回!
三島、夜の談話!
ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
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