FE風花雪月のプレイ時間400時間を越え、ストーリーは全て(DLC含む)クリアし、
ほぼ全てのイベント(支援会話含む)も確認し終えたので、評価していきます。
ストーリーの重大なネタバレはありません。
発売前に公式で公開していた程度のバレはありますので、ご了承下さい。
本レビューは動画にしていますので、良ければそちらでご覧ください。
シリーズをプレイしたこと無い人にも読んで欲しいレビューになっています。
タイトル | ファイアーエムブレム 風花雪月 |
開発 | インテリジェントシステムズ コーエーテクモゲームス |
発売元 | 任天堂 |
対応機種 | Nintendo Switch |
発売日 | 2019.7.26 |
ジャンル | シミュレーションRPG |
プレイ人数 | 1人 |
前置き
評価そのものに関係ないので、すっ飛ばして構いません。
『ファイアーエムブレム』(FE)とは
「シミュレーションRPGの元祖」とも言える作品。そのシリーズ。
ここで言う「シミュレーションRPG」とは、簡単に述べると「将棋やチェスのRPG版」。
マス目で区切られた盤上の駒をプレイヤーが操作して、敵を倒していく。
倒すと経験値が貰えて、駒はレベルアップを繰り返し、成長していく。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
これを基本として、さらに様々な要素が加わることで奥深さを増している。
ファイアーエムブレム(以下、FE)は、
30年以上も、定期的に作品を出し続けるほどの人気シリーズであり、
任天堂の看板商品の一つなのである。
スマブラ参戦ファイターも多い。
FEシリーズを、ほとんどプレイしたことない人による評価です
筆者は所謂「エムブレマー」というほど、FEシリーズの多くをプレイしているわけではない。
むしろ初代のリメイク作品(『紋章の謎』)しか、プレイしたことはない。
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【出典】ファイアーエムブレム 紋章の謎© 1990-1993 Nintendo/INTELLIGENT SYSTEMS
それでも一応ベストエンドは達成していたので、FEの基礎的な部分だけは把握している。
そんな、FE久々な人のレビューです。
以下、レビュー本文
「育成要素」の自由度とボリューム大! これがハマる!
『FE風花雪月』のおもしろさを語るには、何よりもまず、
キャラクターの「育成要素」について挙げねばなるまい。
なにせこのゲームは、
主人公(プレイヤー)は教師となり、自軍のユニットを生徒として、
彼らを教え導く物語なのだから!
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
千差万別に成長する生徒たち
プレイヤーは、兵士を育成する学校(士官学校)の先生となり、
任意の学級を受け持ち、そこの生徒たちを育てていく。
兵士に必要な技能として、
剣術、槍術、弓術、馬術…等々、様々ある中、
誰に何の技能を専攻させるか、プレイヤーの自由自在。
生徒の得意分野を伸ばしてオーソドックスに進めるもよし、
あえて苦手分野を鍛えて意外な才能を開花させるもよし。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
見るからに華奢な魔法使い系キャラを、屈強な重装歩兵に鍛え上げることも可能!
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
とにかく育成の自由度が非常に高い!
生徒たちの未来は、教師であるプレイヤーに委ねられる。
RPGなので、もちろん力や守備といった基本ステータスはあるし、
その伸び方も当然キャラ毎に差がある。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
鍛えた技能によって就く兵種(クラスチェンジ)毎に、成長の伸び方も変化するし、
兵種そのものに熟練度もある。
習得する必殺技(戦技)やスキルも、多岐にわたる。
生徒たちの成長度合いが、他のプレイヤーと全く同じになる、ということは、
ほぼあり得ない。
それほどまでに、ステータスの要素もカスタマイズも、多い!
どの生徒を、どう鍛えていくか、考えるだけでもワクワクしてしまうのだ。
やれることも、盛りだくさん
教師としてやれることの選択肢も、とにかく多い!
学内を散策して情報収集したり、頼み事をきいたり、
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
生徒たちと食事やお茶会をして親交を深めたり、
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
なぜか一人でひたすら釣りをしたり、
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
武術大会に、自慢の生徒を出場させたり。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
他にも、栽培、合唱練習、買い出し、教員研修、討伐任務、入浴、犬猫の餌やり…
(もはや教師とは無関係な) ありとあらゆるコンテンツを前に、
その日に、どう行動するかは、全てプレイヤーの気分次第!
もちろん、どれもが何かしらの報酬や恩恵を受けられて、育成要素に繋がっていく。
だがそこまで難しく考える必要もなく、自由で楽しい学園生活を満喫できる。
教え導く「教師」としての醍醐味が詰まっている
担当する生徒たちは、士官学校に入学したばかり…。
実戦経験も無い彼らを、最初は頼りなく思うかもしれない。
しかしそんな生徒たちも、入念な指導を繰り返すことで、やがてはたくましく成長していく。
気がつけば、生徒たち一人一人が戦力の要となり、
全員一丸となってチームワークを発揮していくのだ。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
強くなった生徒たちを見て、
プレイヤーの達成感は、じわりじわりと積み重なっていく。
中には、成長が芳しくない生徒がいて、悩むこともあるかもしれない。
それでも根気よく成長を見守っていたら、いつの間にか頼れるエースに変貌していた、
なんてこともある。
こうしたときの喜びが、また格別なのである。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
しかも、最初は一癖も二癖もあると感じていた彼らの事も、
関わっていくほど、どいつもこいつも良い奴らばかりだと徐々に気づいていくのだ。
やがては、
「この学級の担任になって良かった…!」
と、教師の醍醐味ともいえる充実感を味わうことができる。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
シミュレーションRPGのユニットに、これほど感情移入ができてしまうのは、
前述の「ボリューム盛りだくさんの育成要素」による賜物なのだろう。
こうした体験は、プレイヤーが自分の手で操作するゲームならではのものであり、
『風花雪月』は、その良さを巧みに引き出してくれている。
「てごわいシミュレーション」も、初心者に優しく配慮
さて、いくら育成が楽しいと言っても、
「シミュレーションRPG」というジャンルは、
「なんだか難しそう」、「ややこしくて面倒くさそう」
と敬遠する人も、少なくないかもしれない。
そもそもFEは初代から「てごわいシミュレーション」とCMで歌っていたくらいだ。
しかし『風花雪月』は、初心者やライトゲーマーにも、大いに配慮できていると感じる。
初心者にもわかりやすい、戦略の視覚化
ユニットの持つスキルや武器が多種多様にあることで、一手の選択肢も膨大となる。
しかし、そこまでややこしいことにはならない。
戦況をうまく視覚化してくれていることで、
選択肢を比較的単純でわかりやすくしてくれているからだ。
「敵の攻撃が届く範囲はどこまでか。」
「誰がどの敵に狙われて、どれくらいのダメージを受けるのか。」
「こちらが攻撃したとき、どのくらいの確率で命中するのか。」…等々、
戦況の多くを、明確かつシンプルに視覚化してくれている。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
戦略を立てるのに必要なあらゆる情報が、大体パッと見でわかる。
何が最善手で、何が悪手か、
プレイヤーの中で判断がしやすくなっている。
これはつまり、敵が事前に
「次、前に出て攻撃します!」
「あなたに、これくらいのダメージが入る可能性があります!」
「最悪、死にます!」
とか言ってくれているようなものだ。親切すぎる。
「それがわかってしまえば簡単すぎるのでは?」と思うかもしれないが、
なかなかそうもならない。
例えば、複数の敵に多方向から攻め込まれると、
それら全てを対処しなければならなかったり、
場合によっては対処しきれない状況に陥ることもあるからだ。
システム面の便利さと、難易度のバランス調整が、実に絶妙である。
視覚化が充実していることで、
「見落としをして失敗する」というような、しょうもないミスが減り、
そのおかげで「広い選択肢から、どれを選択するか」という戦略そのもののおもしろさが、
初心者でも存分に楽しめるようになっている。
その上、武器・攻撃方法切り替えによるダメージ比較なんかも、
ワンボタンで簡単にできるようになっていたりと、全体的に操作はスムーズなのも嬉しい。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
さらに、将棋で言うところの「待った」に該当する「やり直し」も、一定回数可能。
“死んだら即リセット”は、もはや昔の話だ…。
昔のFEに比べると、プレイしやすさがかなり増しており、
むしろFE初心者にも安心してオススメできる仕上がりになっている。
初代のシステムを踏襲しながらも、確実に洗練し続けているからこそ
FEシリーズは長年愛され続けているのかもしれない。
幅広い難易度設定。ガチでてごわい難易度も。
難易度は、低い順で「ノーマル」、「ハード」、「ルナティック」の三段階がある。
さらに、自軍のユニットが敵にやられても失うことはない「カジュアル」モードも用意されている。
(通常は、やられたユニットは失う「クラシック」モード)
難易度「ノーマル」で「カジュアル」モードなら、
「誰でもクリアできる」と言ってもいいくらい超絶簡単になるだろう。
例えば、
FEも戦略系ゲームも初めて、という人は「ノーマル」を選べばいいし、
初めてだけどゲームは得意、という人は「ハード」でも大丈夫だろう。
そこそこ歯ごたえがあった方が、ゲームプレイにドラマが生まれる。
「この戦況はキツい! けどお前ならやれる!」
と、生徒たちを信じて進むアツい展開が増えるというわけだ。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
そんな私は、初見から「ルナティック」&「クラシック」という最高難度に挑んでみた。
常に死と隣り合わせの、ギリギリの綱渡りの連続であったが…、アツい展開の連続!
結果的に、生徒たちは、幾多の死闘を共にくぐり抜けた「無二の戦友」となった。
絶大なる愛着が、そこにはあった…。
私でもクリアできたので、過去作をプレイ済みのエムブレマーたちは、
いきなりルナティックに挑んでもいいのではないかと思う。
「戦争」の過酷さを、その身で学べる重厚なストーリー
ゲーム性の部分だけで大いに語ったが、ストーリーの完成度も高いので、語らねばなるまい。
生徒たちと青春を送る、第一部
公式サイトに書かれている通り、この物語は二部構成となっている。
平和な学校生活を送る第一部は、一言で言い表すならば「青春」!
一癖も二癖もある生徒たちは、ときにぶつかり合い、ときに支え合い、
そうして絆を深めていく。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
青春してるわ…、こいつら。
だがプレイヤーキャラである先生も、生徒たちと同年代という若さなので、
その青春の渦中にいるのである。
いけ好かなかったアイツが、案外いいヤツだったり、
気になるあの娘と、ちょっといい雰囲気になったり。
そんな青春の1ページが、
あっちこっちで何ページにも渡って繰り広げられる。
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【出典】ファイアーエムブレム総合Twitter(https://ux.nu/v31BE)© 2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
青春の真っ只中にぶち込まれたプレイヤーは、
生徒たちの魅力に、どんどん引き込まれていくことだろう。
先に述べた育成要素と合わせて、ダブルで愛着が湧いてくる。
戦闘の駒としてではなく、キャラクターそのものに愛着が湧いていく。
そしてこれこそが、第二部に繋がってくる。
※ここから第二部の話が少しあります。少しもネタバレしたくない人は、戻って風花雪月をやろう。
避けられない戦争を生き抜く、第二部
兵士として教え導いた生徒たちは、やがては大きな戦争に巻き込まれていく。
同じ学校で過ごした生徒たちが、各勢力にわかれ、避けられない戦いに身を投じていく。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
お互いが憎いわけでもないのに、戦わなくてはならない!
戦争というものの無情さよ。
日々顔を突き合わせてきた生徒と戦うことになって、プレイヤーは身を持って味わうことができる。
戦争がどれほど過酷で虚しいものかと。
「戦争… 辛い…!!」という叫びが、胸中を渦巻く。
プレイヤーとして、特に感情移入ができているからこそ、一層この思いが強まる。
「敵も味方も全員を救う道はないのか」と、葛藤することになるだろう。
この辛くとも激動のストーリー構成は、ただただ素晴らしいと言わざるを得ない。
私は現実の戦争を経験したことがあるわけでもないし、
これを読んでいる人も同じだろう。
なので「このゲームをやれば戦争の虚しさが十分わかる」などと、
軽率なことは言わないでおく。
しかし少なくとも、「戦争は恐ろしい」ということを、
擬似的でも体験できることは確かだ。
周回することで、さらに深みが増す
プレイヤーは、第一部で担当した学級に応じて、第二部で属する勢力も変わってくる。
つまりは、マルチストーリーで、マルチエンド。
プレイ周回することによって、様々な勢力に属することができるのだ。
ここでおもしろいのが、
最初のプレイでは、敵勢力のことをあんなに憎んでいたはずなのに、
次のプレイでそっちの味方をしてみると、
「本当はこいつらが正しいのでは?」と、手のひらを返す自分がいたことである。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
私が周りに影響されやすい…というわけではない。(多分)
各勢力のどれもが、それぞれの正義を持って戦っているからこそ、こういう事が起こるのだ。
「だから戦争は避けられなかったんだ」と、周回して初めてわかる。
周回するほどに、ストーリーに、キャラに、世界に、
さらに深みが増してくるのである。
恐らく、周回した順番によっても印象がだいぶ変わってくる。
本当に良くできている。 (ちなみに筆者は、青→赤→金→銀でクリア)
というかむしろ、一周しただけでは、不明点が多すぎてモヤモヤするはずである。
結果的に、プレイヤーはこのゲームを長く遊ぶことできるのだ。
テキストが多いし細かいし、しかもフルボイス
これだけ壮大なストーリーとなると、テキスト量も当然膨大となるのだが、
驚くべきところは、これら全てがフルボイスとなっているところだ。
「全て」とは、このゲーム内全ての登場人物のセリフが、である。
学内のモブキャラとのなんてことない会話まで、ボイスつき。
「全てフルボイス」って「頭痛が痛い」みたいな言い回しだが、とにかく「全てフルボイス」なのだ。
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【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
キャラクターが等身大となり、アクションRPGのように話しかけたりできる今作では、
フルボイス化は、よくぞやってくれた、と言いたい。
ゲームでは、やたらリアルなグラフィックなのに、話しかけたら口パク、という事は多々あり、
これまではそれが普通だったのかもしれないが、
視覚的な臨場感だけでなく、聴覚的な臨場感も高めていかなくては、
むしろ違和感が増してきてしまうというものだ。
その点、モブキャラまで生き生きと喋るこのゲームは、今後ゲームの手本であるとも感じた。
多言語にまで対応しているのである。 やりすぎだろ…。
しかも、同じイベントでも、現在の戦況や、生徒たちの状況によって、
セリフが微妙に変化するところまで、かなり高い精度で補完されている。
いやほんと凄すぎる、このこだわり。
少し残念なところ
良いところは挙げればキリが無いほどなのだが、もちろん残念な部分もある。
ゲームそのものを損なうほどではないが、「惜しい」と感じたところを、いくつか挙げていく。
友軍AIがアホで邪魔
ステージによっては、味方として友軍ユニットが登場するのだが…
基本的に、これらはプレイヤーが操作することはできず、AIで動く。
だが、このAIがアホすぎて、邪魔にしかならないのである。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/fe3h-56-650x366.jpg)
【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
勝手に敵を倒して経験値を横取りしたり、勝手に死んで敗北したりする。
プレイヤーにとっては、彼らこそ最大の敵となるのである。
操作できる友軍ユニット(というか加勢ユニット)もいるのだが、全部それで良かったと思う。
理不尽な索敵マップ
霧で周りが見えない状態で、敵を探しながら倒していくマップのことを「索敵マップ」と呼ぶ。
これがあまりに理不尽すぎて、正直つまらないのである。
そもそも、敵の配置や動きを考えながら、進軍していく、というのが、
FEのおもしろいところだと思っているのだが、それを潰してしまっている気がする。
(個人の主観です)
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/fe3h-57-650x366.jpg)
【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
自軍から敵は見えないのに、敵からは丸見えで一方的に攻められる、というのが理不尽極まりない。
自分が高難易度でプレイしていたせいもあるのかもしれないが、
索敵マップは初見殺しの嵐であった。
一応、アイテムを使えば視野を広げたりもできるが、
それを前提とするなら、そもそも索敵マップなんていらないだろう…。
しかしこの索敵マップ、結構昔からある。人気なのか…?
新システムのチュートリアルがやや乏しい
通常の敵ユニットとは異なる「魔獣」の説明や、
自軍に配備できる「騎士団」およびその「計略」は、少し説明不足であった気がした。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/fe3h-59-650x366.jpg)
【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
これら二つの要素は、いきなり実戦で対応するので、たいていは困惑する。
一応文章で説明はしてくれているものの、結局実際に動かしてみないと理解しにくいものなので、
勝敗に関係ないトレーニングモード的なところで教えてもらえれば、尚良かった気がする。
理解できてしまえば、システム自体は非常におもしろい。
3Dグラフィックが良すぎるからこそ…
全体的に、グラフィックの出来が非常に良い。
キャラクターの3Dモデルは特に素晴らしく、スチル(静止画)が不要と感じてしまうほど。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/fe3h-60-650x366.jpg)
【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
惜しむらくは、モーションが少なく、表情の変化も乏しいので、
やや無機質さを感じてしまうところだ。
戦技のモーションも、どれも特に大差無いのも、少し残念である。
(必殺のモーションは、わりと多彩なのに)
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/fe3h-61-650x366.jpg)
【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
FEに一番期待するのはグラフィックではないはずだが、ここまで頑張ってくれたのなら、
次回作以降は、モーションにも期待してしまう。
また、フィールドグラフィックも、かなり作り込まれている。
戦闘時の背景も、今いる場所に応じて、忠実に変化する。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/fe3h-62-650x366.jpg)
【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
「ここまでやる必要があったのか…。」と思うくらい、細部まで良くできている。
故に、これらのフィールドを自由に歩き回れるようにしてくれても、良かった気がする。
本当にもったいない!
周回を前提としているはずが、やや不満な部分あり
前述の通り、ストーリー上は周回を前提としている作りをしていながら、
それにそぐわない不満点が少々ある。
オプション設定やチュートリアル視聴を、
二周目でも再度行う必要あったりする不便なところは、まあ些細なところだ。
一番不満なのは、どの学級を担当しても、第一部の戦場やストーリーは、ほとんど変化がない、
というところだ。
全て違う戦場にしてくれ、とまでは言わないが、
せめて開始地点や敵配置くらいは、差異をつけて欲しかったところ。
第二部でも、ストーリー展開は違えど、マップしては全く同じステージとなることがあるので、
周回時は目新しさに欠けてしまう。
ストーリーが大ボリュームだった分、こうした部分に物足りなさが生じてしまった感じである。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/fe3h-63-650x366.jpg)
【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
また、ストーリーが大きく動く第二部でも、
第一部同様に、学内散策や教員指導を続ける必要があり(むしろ増える)、
これはむしろテンポを損なっている気がした。(一応飛ばすことは可能)
第二部は、ガンガン戦場を進めていくくらいの展開でも、良かったかもしれない。
古参にも初心者にもオススメできる、名作FE
良いところも悪いところ、全部引っくるめてまだまだ語りたいところだが、
レビューとしては、こんなところである。
久々のFEで、ついていけるか不安もあったものの、結果的にはドハマリしていた。
シリーズの行く末を傍から見ていたときは、
DSあたりからキャラゲーとして方向転換したものかと思っていたが、
しっかりとシリーズの根幹を保ちつつ、時代に合わせて進化していたようである。
![](https://ug-yuyujiteki.com/wordpress/wp-content/uploads/2020/03/fe3h-6-650x366.jpg)
【出典】ファイアーエムブレム 風花雪月©2019 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS Co-developed by KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
「戦略シミュレーション」というお硬いジャンルを、
初心者でもプレイしやすくカジュアルに洗練しつつ、
長年のファンにも満足のいく骨太さも備えている。
その上、ストーリー面でもプレイヤーの感情を大きく揺さぶる、名作でした。
次回作が楽しみなシリーズが、また一つ増えました。
気になったら、是非プレイしてみて欲しい。
言い忘れていたが、BGMがめちゃくちゃ良い。
満を持してサントラも発売しています。
ファイアーエムブレム 風花雪月 オリジナル・サウンドトラック(特典なし)
ゲームの感想や読後の感想は、コメント(サイト下部)でお気軽にどうぞ。
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