【ケムリクサ考察】第2話 Aパート前半

アニメ
【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。

内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、

物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。

※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。

※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、

 遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。

※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。

 

作品の公開順に追っています。

ここでは、第2話Aパートの前半(壁広場到着から大型あかむし討伐まで)について。

過去の記事こちら

【ケムリクサ考察】まとめページ
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。

第2話 Aパート 前半

※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て

『ケムリクサ』第2話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。

意識は戻ったりなよ

1話ラストでも、気絶したままだったりなよだが、

2話開始時には意識は戻っていても、まだ本調子じゃないようだ。

地べたに座り込んでいる

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

壁広場から拠点までは、りんに抱えられてきたのだろう。

わかばのことは、近づくと例の症状が表れるようになったので、

恐らくりなたちに運んでもらった

 

 

りなよの持っていた「葉っぱ」は「本体の葉」のみ?

りなよ「霧でちょっと体溶けちゃったけど、葉っぱが無事だから、大丈夫ナ!」

溶けたけど大丈夫、というのは、りんほどではないけど、それなりに早く回復するのだろう。

葉っぱ」は、「増やした本体の葉」を指していると思われる。

 

増やすための「モモイロのケムリクサ」(モモちゃん)は、基本的にはりなむが持っているようだが、

他のりなが持っていることもある

3話では、りなっちが持っていた。

【出典】『ケムリクサ』第3話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

そのため、1話ではりなよが持っていた可能性もあるのだが、

それにしては、言葉の端々に余裕が見える。

1話ラストでも、泣きわめくりつに対し、「大げさ」とりな自身が言うくらいだ。

8話冒頭にて、モモイロ敵に奪われそうになったときは、さすがに焦っていた

【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

ということで、1話ではりなよは、モモイロは持っておらず、

葉っぱ」とは、りなよ本体の葉っぱのみを指している、と推測した。

 

 

初めて食べられたりな

りなっち「もうびっくりしたナ~。」

りなじ「食べてやるつもりだったのに、食べられるなんてナ!

りなよ「まったく不覚だナ。」

前回の考察でも述べたが、「大型に逆に食べられる」と姉たちからかわれていた通りのことが、

現実となってしまった。

それをりなたちも驚いていることから、過去に「食べられる」経験は無かったことが推測される。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

これも以前述べたとおり、あかむしの目的は、りんたちの捕食ではなく、

ケムリクサの消滅だからだ。

1話のあかむしも「食べた」というより、気絶させる目的で体内に取り込んだだけだろう。

 

 

安心して笑みがこぼれるりん

りん「いつもどおり気の抜けた顔だし、大丈夫そうだな。」

大丈夫そう」と言うところで、なんとなくほっとして笑いがこぼれたように聞こえる。

顔は笑ってないが、姉妹には優しいりんである。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

あかぎりに、向かってくる意思や性質は無い

りんひとまずは安全か。」

りつ「そうにゃ~。あかぎりじきに晴れると思うにゃ。」

あかむしたちは、「ケムリクサ」に反応して向かってくる性質があるが、

あかぎりには、そうした「意思」のようなものは無いということか。

りんたちにとっては、あかぎりが出てくるのは、「天気が荒れてきた」程度の感覚である。

 

 

義理堅いりつ姉

りつ「でも…! おかげでりなよちゃんが助かったし!」

りなよを助けてくれたわかばを、わりと必死にフォローするりつ

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

でも、根っこで吊し上げているのは、この人です。

りんの指示だろうけどさ(笑)。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

排他的だったりん、だが…?

りん「私は、姉さんたちを守るだけだ!

脅かしそうなものは、全て処理する!

(りょうたちの分も… 私が…!)」

消極的、というか、排他的、というか。

義理人情慈悲も、全くない

 

しかしこれが、1話までのりん思想方針

りなよ助けてもらったお礼も、この時点でもまだ言うつもりはない

 

そしてわかばと接触したおかげか、少し変化し始める様子が、続く発言からわかる。

りん「(だが…)

こいつは、私や姉さんが気づく前に、あかむしを見つけた。

何かむしについてわかるかもしれない。」

「敵か味方かわからない」→「処理する

としていたりんが、

「敵か味方かわからない」→「様子を見る

という程度には、丸くなった

りくのような能力を見せたわかばに、興味を持った、というのもあるが。

 

 

命を懸けるより、高いところのほうがよっぽど怖いわかば

わかば「はぁ…助かった…。今日一番怖かった…。」

みどりの葉撃ち抜かれたりあかむし飛びかかられたりあかぎり飛び込んだり

死ぬような思いを短時間に何度もしてきたはずだが、

それらはわかばにとっては大したことはなさそうで、

高いところのほうがよっぽど怖いようだ。

 

 

わかばと正面を向きあって話すことに警戒を始めるりん

わかば「あ!これまた、ケムリクサですか!? はぁ~!」

りん……!

誰もケムリクサを出していないので、

これ」とは自分を吊し上げていた「みどりの根っこ」を指しているのだろう。

これがケムリクサ」の一種だからこそ、気に入って最後までずっと付けていたのかもしれない。

 

そして、面と向かって話しかけられたことで、

後に言う「」を感じ、警戒するりん

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

以降、2話ではほとんど、

わかば正面を向き合って話すことは無い

 

も含め、

わかばに対する不信感の表れであろう。

2話の見どころは、ここにあると感じている。

 

 

りなは、方針会議に加わらない

りん姉さん、このあとの話をしよう。

りつ「わかったにゃ。」

りんりなはそいつを見張ってて。危ないから触らないように。

何かあったらあかぎりに落として。」

りなはーいナ!

姉妹の行動の長期的な方針は、りんりつが話し合って決めてきたようだ。

方針会議に加えられないことを、りなが不満そうにする様子もない

自分から進んで加わろうとするわけでもないし、

言うなれば、姉たちの決定を信じている、とも取れる。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

この事実はとても重要なので、覚えておいてほしい。

…といえば、察する人はすぐ察するか。

 

 

水を消費するより、みどりの葉を使ったほうが効率的

りつ「水の回収は終わったにゃ。りんは、まだ水飲まなくて平気かにゃ?」

りん「ああ、ほとんどみどりしか使ってない。」

りんたちが力を行使するのに、

本体の葉に蓄えられた水を消費するか、

体内に取り込んだみどりの葉を消費するかを選択しているということが、

このやり取りからわかる。

みどりの葉を生成するのにも水を消費するが、

本体の葉の消費より、ずっと効率的ということだろう。

 

 

希望を捨てきれないりん

りつりん、この量なら、もう一度外の探索も可能になったけど、どうかにゃ。」

りん……。

りつ前は、水も足りないし、このまま、この島で終わろう、ってなったけど…。」

第1話の考察で、

りんりつはもう島外に出るつもりはなく、りなはそれを知らなかった

と推測したのは、このやり取りから来ている。

 

島外の探索は、それだけで水を大きく消費することになるため、

消費される以上の水を見つけることがなくては、結局徒労で終わってしまう

それどころか、あかむしに襲われて、いきなり命を失う危険だってある。

もはやろくに水も見つけられないなら、ジタバタ足掻いても無駄だろう

と思うのも、しかたがない。

長期的に、生きるのを諦めている状態だ。

 

そして今回、予想外一島で水を発見できたことで、生きる希望が出てきた。

少なくとも、りつそう思っているのは、発言から間違いない。

そして内心ではりんも、それを感じていたはずだ。

 

そうでなければ、りつの提案に、

思いつめたような無言の反応をしない

りんが本当に、一切の希望も感じていなかったらりつの問いかけには、

「えっ…?」

疑問を返すだろう。

あるいは、

「なにを今さら…」

否定で返すかもしれない。

 

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

このとき、無言で地図を確認したのは、

りん最後の希望を感じていたことの表れなのだ。

 

りつが「この島で終わろう」と言い始めるところで、

りん少しうつむくのも、

その決定に、後ろめたさを感じていたからだろう。

 

だがそれでも、危険を負ってまで島外に出る勇気は、なかなか出せずにいるようだ。

迷っている状態」。

そしてその結論を出すまでの過程が、この2話だ。

 

 

りつの発言からわかる、いろいろ

りつ「考えたんだけど、これはりんが決めたほうがいいと思うのにゃ。

留まっても、外に戻っても戦う負担はりんにいくから、りんの希望に合わせたいのにゃ。」

一島から「外に戻る」

外に出る」ではなく、「外に戻る」という言い方は、

一島の滞在期間は、全体を通して実はそれほど長かったわけではない、ということを示唆している。

 

以前にも述べたが、

最初に探索し尽くして、「が無い」と判断された一島に、

いちいち戻って滞在する理由は、本来なら無いはずなのだ。

 

運良く大量の水を発見できた場合に、

比較的安全な一島に運んで、そこで長い時間を過ごす

としていたのかもしれない。

収集・運搬・確保ができる電車とみどりの組み合わせができてからは、

そうしていたのだろう。

【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

しかしほとんどの時間は、水を求めて一島外を彷徨っていた

そうでなければ、「外に戻る」という言葉は出ない。

 

例えるなら、

上京した人が久々に実家に帰ってきて、

休暇が終わると、また今暮らしている自宅に「戻る」という感覚だ。

この場合、一島が「実家」で、島外は「現在の自宅」に当たる。

 

りつは、一島より島外のほうが、本来の自分たちの居場所であると認識している

ということだ。

 

りつは、戦えないことに後ろめたさを感じている

自分が以前より戦えず、ほとんどりんが戦っている現状に、

なんとなく後ろめたさを感じているようだ。

りん決定権を委ねる事自体からもわかるし、

なにより負担という言い方が、それを示唆している。

 

一応言っておくと、この心配は杞憂であり、

みどりと融合して索敵に特化したりつがいなければ、

今以上に苦しい状況になっていたはずであることは、度々説明したとおりだ。

しかし危険の少ない後衛を担当していることから、いつしかそう思うようになっていったのだろう。

 

この辺が5話のりつの涙に繋がってくるのは、既にご存知の通りだ。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

姉妹の「したいこと」を優先するりん

りん「私は… みんなと違って、したいこともない

姉さんが決めてよ。

したいこと」があるりつりなを優先しているりん

これも、同じく5話に繋がってくる

姉さんの「好き」は私達の「大事、という5話での言葉は、決してキレイ事ではなく、

それをこうして言動で表し、積み重ねられていたからこそ、

視聴者にも確かに響いてくるのだろう。

思いつきで出た言葉ではない、ということだ。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

りつは、前向きかつ現実的

りつ「ダメダメ~。私が死んだら、次はりんが一番お姉さんなんだから。

そういうことにも慣れてもらわないとにゃ。」

りん「もう…またそういうことを…。」

作中では、りつのこうした自分の死を予見したような発言は、初めて聞く。

しかしりんは、「また」と言っているので、

過去に、たびたびこうした発言をしていたのだろう。

りつ前向きに事を進めようとするが、一方で状況を現実的に受け止めてもいる

 

ちなみに、「ダメダメ~」というゆるいダメ出しは、

0.9話でも同じくりんに対して言っている。

【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1080461251900170240

 

 

一島の暮らしに時間感覚はあるのか?

りつ「あと5日ぐらいは、どっちにも動ける量だと思うにゃ。」

この世界でも、一応昼夜の明暗はあり、それを「一日」の基準としているようだが、

一島はほとんど真っ暗である。(それでも明暗はあるようだが)

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

時間感覚ははっきりしているのだろうか?

(筆者は、極夜に近い地域を旅したこともあるのだが…、感覚がめっさ狂うぞ。)

 

時計の役割を果たすケムリクサがあるのかもしれない。

それとも、りな正確な腹時計でも付いているのか…?

 

それから、船内の光源は太陽ではないはずなので、

我々の知る「1日」とは、もしかしたら長さが違うかもしれない。

 

 

次回、第2話Aパート後半!

ここまでで、約3分半、となる。

切りが悪いが、ここまでで次回に持ち越そうと思う。

 

次回は、りんの「」談義から!

【ケムリクサ考察】第2話 Aパート後半
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。ネタバレ必至です。 ここでは、第2話Aパート後半について。

 

ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。

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コメント

  1. nobu より:

    わかばの評価を上げつつ
    わかばの身体を吊し上げる

    安定のりつ姉www