アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第4話Bパートの後半(空橋のヌシとの戦闘)について。
過去の記事はこちら。

第4話 Bパート 後半
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第4話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
壁越しのヌシの攻撃
地震が収まってから、ヌシはビームのチャージを再開しているのが、
音からわかる。
天井の壁越しに、視界外から当ててきたため、
りんたちのケムリクサの位置を、正確に捕えられるようだ。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
前回の考察で述べた通り、
りつはあかぎりのノイズにより察知が機能しておらず、
視界外なので、りんも察知できなかった。
天井を突き破ってビームが見えるまで、りんは反応できていない。
ここまで慎重の上に慎重を重ねて進んできたのだが、
完全に不意をつかれた。
りんが先行していなければ…
ビームを食らったりんの左腕が、失くなっている。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
しかしそれに関しては、リアクションは特に無く、平気そうだ。
後ほど、りつがりんを心配するが、葉が無事なので問題ないらしい。
りつ「りん! 腕大丈夫なのにゃ!?」
りん「平気… 葉は無事!」
というか、次のシーンでは既に、腕の形が再生している。
頑丈すぎる。
しかし、直撃ではないとのことで、とっさに身をかわしたのだろう。
りつ「りんだって、あんなの直撃したら死んじゃうにゃあ!」
りつの索敵が機能していないことを察したりんが、先行して歩いたのでは、
と、これも前回考察したが、
もしそれが無ければ、最初に不意打ちを食らったのは、
りつ・りな・わかばのいる電車の先頭部だった可能性がある。
りん「あの威力、私以外じゃ危ない!」
りんが先行していなかったとしたら、不意打ちの一撃で、
りん以外の全員がやられていたかもしれない。
そんなことにならなくて、本当によかった。
りんの絶え間ない気遣いによって、最悪の状況を回避できたと言えよう。
わかば、覚悟の表情
りんがビームを食らった瞬間の、わかばの反応が意外だった。
突然の攻撃に、また恐怖しているのかと思いきや、
その表情は、どこか凛々しく、
「助けないと!」
というような使命感を背負っているようにも感じる。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りつは、りんを心配している表情だし、
りなは、目の前の光景に呆気にとられいるようだ。
わかばといえば、あかむしが出てきたときは、
毎回恐怖し、逃げ腰だった。
4話前半でもそうだ。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
ここまで最強を見せつけてきたりんが、攻撃を食らったなら、
普通は、今まで以上に弱気になりそうなものである。
しかし、いざその場面に出くわしたとき、
わかばの表情に恐怖はなかった。
一体どういうことなのか。
実はこの表情は、過去にも何度か見せている。
1話で、りなこを助けようと覚悟したとき、

【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
さらに、3話で黒水晶を守るために飛び出したとき、
さらにさらに時系列を遡るなら、
11話でワカバがりりを守る決意をしたときもだ。

【出典】『ケムリクサ』第11話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
いつも弱々しいわかばが、眉を引き締めるとき。
それはいつでも、
誰か(何か)を「守る」という覚悟をしたとき
だった。
橋に上がるときも、地震が起きたときも、
びくびくしていたわかばだったが、
ここでりんが危険に晒されたときに、即座に覚悟ができたのだろう。
その覚悟が本物であったことは、4話を見た視聴者なら、もちろん知っているはずだ。
これもまた、わかばの魅力の一つ。
今後も、この表情には要注目していこう。
ヌシの判断はどこで?
りん「下がって! かなり大きい!
この威力… 姉さんたちに当たったら…!
ヌシだ…!」
言葉からだと、大きさと威力だけで、ヌシと判断しているとも取れるが、
りんの視覚による観察での判断と取れなくもない。
ヌシは、体の構造や、葉の形に、何か見てわかる違いがあるのだろうか。
「ヌシだ!」というセリフと共にアップで映るのは、
後にりんが一撃を与える、いわば弱点部分であるようだが…。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
逃げ一択
電車を押す、りん。
根っこで後方に下げる、りつ。
すぐ乗り込む、りな。
全員一致で、迷わず「逃げる」選択をする。
わかばも、「ヌシに会ったら、とにかく逃げる」と、りなに聞いていたおかげか、
ギリギリ電車に乗り込めたようだ。
しかしその際、ポケットにしまおうとした青ケムリクサを、
うまく入れられず、その場に落としてしまう。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
自分をオトリにして電車を守る、りん
「この威力、姉さんたちに当たったら」と、心配していた通り、
逃げるときには、
ビームの射線が電車と重ならないように配慮している。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
ヌシに向かって、
右、次に左上、さらに左、と器用に避ける。
しかもヌシを見ながらなので、相当な動体視力と身体能力である。
手を差し伸べるわかば、補助するりな
りんを電車に乗せようと、先頭から体を乗り出して、手を差し伸べるわかば。
先に述べたように、既に覚悟ができている故の行動だ。
おそらくりなたちに、足を掴んでいてもらうように、とっさにお願いしたのだろう。
第1話で、りなは3人がかりでわかばを運んでいたので、
画面に映っていないだけで、りなっち・りなじ・りなよが、連なっていそうだ。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
「殺される」
りん「姉さんたちは隙を見て逃げて!」
りつ「そうもいかないにゃあ!」
りん「あの威力! 私以外じゃ危ない!」
りつ「りんだって、あんなの直撃したら死んじゃうにゃあ!」
りん「ここにいても全員殺される! りょうですら…!」
姉妹同士、「死ぬ」「殺される」といった直接的な表現は、
ここまで交わしていなかった。
唯一わかばには「だいたい誰か死ぬ」と、伝えていたが(第2話)、
これは警告の意味が込められていた。
そして、それはここでも同じなのだろう。
「死ぬ」「殺される」と激しく伝えることで、
自らの身の安全を優先してくれるよう、思い直してくれるかもしれない。
りんもりつも、お互いがお互いを大切に思っているからこそ、
なりふり構わず、この場から離れてもらうことを願った。
そのため、口調や表現が厳しくなってしまったのだろう。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
「りょうですら」という発言から、「一番強い」と言われるりょうが、
ヌシに殺されてしまったことが、ここでわかる。(わかばも)
同時に、「ヌシの話題」が、りんにとってタブーである理由も、
これに関連していると結びつくだろう。
もはや誰かの命を犠牲にしなければ
切り抜けられない、
そんな局面が突如訪れたのだった。
りなの葉を見て、策を思いつくわかば
そんな絶望的な状況に割って入ったのが、わかばだ。
というより、
りなの体の中にある「モモちゃん」を見て、何か閃いたようだ。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
このときわかばは、
直前に見た、「ヌシが直近のケムリクサを攻撃する習性」から、
なんとか打開策が導き出せないか、考えを巡らせていたのだろう。
そんな状況で、
「モモちゃん」が目に入り、「りなの能力」を思い出したことで、
作戦を閃いた。
作戦を全員に伝えるシーンは省かれてはいるが、
ここでは、どういうやり取りがあったのかを、
考察を元に、想像してみよう。
りなに「お願い」
わかば「りなさん、一つお願いしてもいいでしょうか?」
まずは、4話前半でりなに見せてもらったボールを、用意してもらうこと。
おそらくわかばは、「あればあるだけ助かる」と伝えたのだろう。
姉妹が危険に晒されている今、
自分たちにもできることがあるなら、出し惜しみをするはずがない。
りなは限界ギリギリまでボールを生成してくれたようだ。
りな「は~…。」「へっとへとだナ~…。」
体からピンク色の煙も出ているため、かなり本体の葉の力(水)を消費したのだろう。
ボールは、パッと見、15体以上はありそうだ。
りつに、みどりの葉を使わせてもらう許可
次に、りな玉に、囮とするケムリクサを持たせる必要がある。
そのためには、わかばが道中拾ったケムリクサでは数が少なすぎるため、
みどりの葉を使わせてもらわなければならない。
わかばは、そう伝えたのだろう。
しかし、1話でみどりの葉を採取していた場面を見るに、
葉を使うには、りつの許可が必要だったことが示唆されている。
そのため、わかばの提案に対し、りんは一度、りつに確認したはずだ。
「いいの?」と。
9話において、みどりの本体の枝を使用する提案に対し、一度怒りを見せたほどだ。

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りつにとっては、
みどりの葉が、みんなの助けになるのは、むしろ望ましいことだ。
二つ返事で、葉の大量使用を承諾したのだろう。
根の通話機能
さらにりつには、根の通話機能を使わせてもらうことを提案したのだろう。
空橋に上がるときに、りつが根を伝達させて、遠くのりんと会話していたのを、
わかばは実際に見て確認していた。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
囮が有効と判断できたときには、
りんにそれを伝達するので、それまで姿を隠していること。
有効なら、タイミングを見て攻撃を仕掛けて欲しい、と。
これらを伝えたであろうことは、
実際に作中で見せてもらったことで、容易に想像できるだろう。
しかし、通話機能の役割として、
さらにもう一つ伝えておいたことがあったと、推測している。
うまくいかなかった場合
それは、「囮がうまくいかない場合」についてだ。
「ケムリクサが囮になる」という、わかばの考えが、ただの勘違いだったとしたならば、
この作戦は、前提から崩れ去る。
命を預けるどころか、敵かもしれないと疑われているほど、信用の低いわかば。
しかも、わかば自身も確証がない作戦だ。
わかば「あれ… ケムリクサに反応しているかも…。」
わかば「さっき、僕が落としたのを撃っていたように…。」
そんなわかばの憶測を元にした作戦に、
りんが懸けるはずがない。
りんが、わかばに従いこの作戦に乗ったということは、
「うまくいかなかった場合の備え」
があったはずなのである。
それは一体、どういった備えなのか。
うまくいかなかった場合の備え
それを述べる前に、まずは、この推測をするに至ったきっかけを説明しよう。
きっかけとなったのは、
作戦中の、みどりの根の状態である。
二本の根が、橋の上方に伸びているのが見える。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
これはもしかすると、
橋の上側の道に上がるための準備だったのではないだろうか。
橋の入口に比べると、それほどの高さではないので、
二本の根で直接引っ張りあげられそうだ。
直進して向かってくるヌシに対し、
天井の上を通ってやり過ごし、四島に向かう。
囮作戦が失敗した場合には、それをすぐりんに伝え、
迅速に退こうとしていたのではないだろうか。
ヌシの、壁越しの索敵能力を考えると、
到底うまくいくとは思えない策ではあるわけだが、
他に四島に渡る手立てもない。
水が無い以上、退いても死、なのだ。
りんたちは、無理矢理でも前に進むしかなかった。
指揮官、わかば
あとは、細かいところだが、
りんが前線に出ている間は、「目」の役割はわかばが担うこと。
特に、りな玉が葉を散らばらせるタイミングについては、
わかばが指示することで、全員同意している様子だ。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
こうして綿密な作戦が実行されたが、
全ては、
わかばが、姉妹の特性を注意深く観察していたが故の閃きだったのだ。
りなむも意気込んでる?
りな玉を操作するとき、
一瞬だが、りなむの眉が動く。
グッ、と力を込めたように見える。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
寝ていても、やる気は充分!
りんから出ている、赤い葉?
ヌシに突撃する際、
りんの体から、「枯れた赤い葉」のようなものが発生しているのが見える。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
赤い光線の弾幕にまぎれてしまうが、
明らかにりんの体から発生している。
これが、ピンク色の葉ならば、本体の葉を消費しての攻撃、
と解釈できる。
死亡時以外でもピンクの枯れ葉が体から発生するのは、
10話のりつとりなでも、確認できるからだ。

【出典】『ケムリクサ』第10話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
しかし、このときりんの体から出ている葉の色は、
どう見ても赤い。
これが、色の間違いではないとしたら、どういう事が考えられるか。
通常、赤い葉が体から発生するのは、あかむしが機能を停止するときだ。
だが、あかむし以外で、
赤い葉が発生させていた者たちがいる。
それは、シロの仲間たちだ。
彼らは、「赤い煙によってあかむし化する前に機能を停止する」と言い残した。

【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
これは、赤色に汚染されかけていた状態と言えるだろう。
ということは、
赤い葉が体から出ていたりんも、
汚染されかけていたのではないだろうか。
このときりんは、ヌシのビームを一度受けていた。
それによる汚染が、本体の葉の力の消耗と一緒に、
体外に排出されていたのかもしれない。
りん特有の、頑丈さ故か…?
さすがあかぎりに堂々と踏み込めるだけあって、耐性が強い。
ピンクに光る、りんの左目
ヌシに一撃入れる瞬間、りんの左目が、
マゼンタピンクに光っている。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
なぜこのときだけ、しかも片目だけ、変化したのか。
このとき、目の強化だけでなく、
腕の強化も、ほとんど同時に行っていたはずで、
ヌシを殴った瞬間、緑色の閃光を発している。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
ということは、左目だけみどりの葉で強化できなかったのは、
みどりの葉を、目と腕に同時に使用するのが難しいためか、
そもそも葉1枚分のエネルギーでは、片腕と片目だけの強化にしか回せなかったか、
そんなところではないだろうか。
このとき無意識にか、
左目の強化には、りょくの葉、もしくは本体の葉を消耗しており、
その場合のみ、「保存されているりょく」の視覚情報にも、
共有されるのかもしれない。
りょくに共有されたのは、この瞬間のみ
余談だが、りょくに視覚が共有されたのは、
ヌシの弱点に攻撃した、この一瞬のみだと思われる。
常に共有されていたり、
みどりの葉で視覚強化した場合に共有されたり、
ということではないはずだ。
りょくが、
ダイダイがわかばに渡されたことも、
わかばのことも、
9話で初めて知ったという事実が、その裏付けとなる。
作中において知れたのは、
「ヌシを倒すとこ」だけだ。
そのため12話では、的確に弱点を攻撃できた。

【出典】『ケムリクサ』第12話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
最後の一撃に気づけない、りつとりな
視力の弱い、りつとりなにとって、
ヌシのビームは、反応するのが難しいのかもしれない。
特に、最後の一撃は細い光線だったので、全く気づけていない様子だ。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
なお、わかばは、光線を目で追っている。
盾で守ったとき、すぐ近くにいたりなは、
さすがに状況を把握できたようだが、
少し離れていたりつは全く反応がないので、何が起きたのかもわかっていないようだ。
状況がわかっていれば、
1話でりなよが助かったときのように、泣いて喜ぶはずだ。
ちなみに、ヌシが機能を停止したことは、
りつは音で確認している。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
覚悟はできていたが、恐怖は別
わかば「よ…良かった…! 皆さん… 無事でした… か…!」
わかば「持ってた…どれかが…で… ふ…防げた…みたい…です…。
あ… こわかっ…た…。
あ…! りんさん、は…!?」
前述の考察の通り、「覚悟」はできていたであろうわかばだったが、
「覚悟」と「恐怖」は別物。
怖いもんは怖い。 行動の後に、腰が抜ける。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
それ故に、相当強い覚悟を決めているのだということも、伺える。
しかもそんな状態でも、りなやりん、他者を優先して心配しているのだ。
強すぎる。
りんから出る、白い煙
ヌシを倒した後、りんの体からは、白い煙が立ち上がっている。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
白い煙が発生するのは、本体の葉以外の部分が損傷した場合だ。
直前で、腕を損傷したときに、同様の白い煙が発生している。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
しかし、このときは既に、損傷した腕もほとんど回復していたし、
ヌシに攻撃を仕掛けた際にも、新たにダメージを追った様子は無かった。
「白い煙」が、「回復」を意味するのだとしたら、
りんは一体、何から回復しているのだろうか。
重要なのは、このときのりんの発言だ。
りん「私たちだけでもできたよ… りょう。」
りんにとって、「ヌシ」の存在は、
最強と信じていたりょうの命を奪ったという、トラウマとなっていた。
4話前半における、りつの、
「りんの前では、ヌシの話はしないで」という、わかばへの忠告も、
りんの心の傷を案じてのことだった。
そのトラウマが今、
ヌシを撃退することで、脱却できた。
この白い煙は、
りんの心の傷が、ようやく癒やされた、
という比喩表現ではないだろうか。
直後のシーンでは、わざわざ白い煙だけをアップで映しているのだ。
それくらい重要な意味を持っていても、おかしくはない。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
Cパート
ヌシからシロ
あかぎりに汚染されていたヌシは、
みどりの葉の一撃を受けたことで、元の姿に戻れたようだ。
後のシロである。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
あかぎりに汚染されても、みどりの葉で中和すれば修復可能なことは、
8話のシロの仲間たちとのやり取りからわかる。
彼らは、本体の葉の力が残っていなかったため、そこで機能を停止したが、
このときのシロの本体の葉の力は、まだまだ残っていたようだ。
シロのディスプレイには、
「カンリ イロ ケンシュツ」と表示されているが、
みどりの葉の力を受けた故か、
元に戻って本来の命令を思い出したのか、
どちらにせよ、この後、わかばを助けるために動くことになる。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
次回、第5話 Aパート!
ヌシとの戦闘は、途切れさせず一気に書きたかったのだが、
おかげで長くなりすぎてしまった。
しかし、そのおかげで気づけたこともあったので、良しとして欲しい。
次回!
四島、上陸!

ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
もしよければ、右のプロフィールや、記事下のフォローボタンを押してもらえると、タスカル。
筆者のやる気が上がり、更新頻度が早くなります。

コメント
躊躇うな、いざって時は迷わず行動しろ by ウルフ・オドネル
人を守ろうとする愛…その時にその力は全開する by 仮面ライダーカリス
臆病で、戦う力もないわかばくんですが、土壇場で見せる覚悟と度胸は、成熟した大人でもなかなか発揮できるものでは無く、尊敬すると共に羨ましいとも思ってしまいます。
当然ながら進んで死にたいなど思っていませんし、実際に行動した後は震え上がって怯えている彼ですが。同行する姉妹の危機となれば、躊躇わず命を賭ける姿は正しくヒーローと呼べるものではないでしょうか。
一応の復活の算段はあったとはいえ、ワカバ時代でも怯えるりりを見て、即座に捨て身の対処を決断する彼はそれまでどんな人生を歩んで来たのか、その善性はどの様にして作られたのか個人的に非常に気になります。
コメントありがとうございます。
そうですねえ、わかばの「誰かを守る」という行動は、ワカバの頃から一貫していて、
そこが最大の魅力だと思います。
そうさせるほどの何かが、彼の過去にあったはずなのでしょうが…。
今のところは、それを想像するしかないのが、辛いところでもあり、おもしろいところでもあります。
ここを読んで思いついたのですが、
Cパートでシロが覚醒して「カンリ イロ ケンシュツ」となるのは、戦闘の最後でわかばが適当シールドを発動させたときに、青色が使われたためではないでしょうか?
11話では青色の管理色を使う事でムシっちに命令を与えていました。ここでも同様です。そしてこの時の(常に)わかばの意志は「りん達を助ける」だったはず。これによってシロはまず命令を受けたわかばを助ける事を通して、「りん達を助ける」というわかばの意志を実行する様になる、と。
ugさんの考察を読んだことにより、私もここまで考えが回ったと感じています。
次回も楽しみにしています。
なるほどなるほど。
11話でも、命令時にはアオイロを使ってましたね。
ヌシっちには、葉の煙を直接ぶっかけてましたが、
使用するだけがキーとなるなら、それもありかもしれません。
いろんな方の意見が聞けて、私も楽しいです。
今後もよろしくお願いします。