アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第5話Bパートの後半(六島の地下道入り口から、りく登場まで)について。
過去の記事はこちら。

第5話 Bパート 後半
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第5話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
六島の穴
人工的に開けられたような、六島の穴。
実際内部の構造を見ても、実在する地下道を模した作りとなっている。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
そのため、この穴は後からできたのではなく、島を抽出した時点から存在していると考えられる。
そこで思い出して欲しいのが、
前回、六島の成り立ちの考察で示した、簡略図だ。
この図では、余計な情報を増やさないように、地下道は六島だけに留めておいたが…
実のところこの道は、四島の地下にも同様に続いていたと考えている。
だからこそ、四島が沈下したことで、六島の壁に穴として表れているのだろう。
実在する地下道のどのあたりで区切られたのかを調べてみれば、はっきりするのかもしれないが、
本筋から離れすぎてしまうので、考察はここまでにしておく。
危険な六島
りつ「前は上からのルートで行ったのにゃ。」
りな「大型だらけなんだナ。」「りなちゃん死にかけたナ。」
4話での、「(ヌシは)六島以外では出なかった」という発言からもわかる通り、
六島の上のルートは、大型やヌシの巣窟となっているようだ。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
過去に考察した「りくの最期」においても述べたが、
ここの大型やヌシに、りくは殺されたのだろう。
※詳しい理由については、下記を参照

りなぞうが死亡したのは、六島ではない?
一方、エンディングのシルエットから推察するに、
りくの前に、りなぞうが死亡しているようなのだが、
りなの「死にかけた」という発言から、
りなぞうが死亡したのは、六島ではない、と考えられる。
りなぞうがここで死んでいたなら、
「りなぞうがやられちゃった」などと言いそうなものである。
おそらくは、四島の分岐から、六島に到達するまでの間に、命を落としたのだろう。
初めて踏み入れる、六島の穴
りつ「りく姉が見つけてくれたルートにゃ。」
りつ「この先は私達もほとんど知らない、未踏の島だにゃ。」
りつ「この先は何があるかわからないにゃ!
しっかり休息して、万全の態勢で行こうにゃ。」
りつの言葉の端々から、ここから先は足を踏み入れたことがないことがわかる。
穴の存在は知ってはいたが、入るのはこれが初めて、ということである。
(これが、先の「りくの最期」の考察でも絡んでいたわけだが)
進むのを諦めていたところに、危険を承知でこれから飛び込もうとしている。
決死の賭けだ。
りんたちは、睡眠が必要
水分補給とは別に、りんたちには睡眠が必要であるようだ。
疲労により、立ちくらみを起こしている。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
夜通し活動している描写は、一度も見られないので、一応毎夜寝ているのだろうか。
地球の人間であるりりを元にした体ゆえ、
我々と同じように、一定の睡眠・休息が必要不可欠なのだろう。
寝言を言ったり、寝返りをうったり、おそらくは夢も見ているようで、かなり人間くさい。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りんの寝言
りん「これで…… わ…」
寝言といえば、1話でもわかばが気絶しているときにもあった。
そのときの発言は、11話で見られる過去の記憶の中での発言と、完全に一致していた。
※詳しくは、下記を参照

ということは、ここのりんの寝言も、作中のシーンと一致する可能性が高い。
そして、わかばの寝言と関連性があるとするならば、
りんの寝言は、りりの記憶が元になっていると考えられるだろう。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りりの記憶と一致するのは…
「わ…」という発言が、「ワカバ」を指していると考えがちだが、
これだけでは、はっきりとしたことは言えない。
一方、「これで」という発言と一致するシーンがある。
12話にて、りりが自身を抽出している場面で、次のように発言している。
りり「これで、抽出が終わったら、大人の私が六人!」

【出典】『ケムリクサ』第12話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
「わ…」というのは、「私」の頭文字からきているのだとすると、
この寝言は、過去の記憶を夢として見ているがゆえの発言であると言える。
つまり、わかば同様、
りんにもまた、
潜在的にりりの記憶が眠っているのかもしれない。
わかばの反応
わかば「これ…」
このとき、わかばはりんのケムリクサを、まじまじと見ていたが、
クサの光が強くなっていたなどの変化があったかどうかは、不明。
見た目は、他のシーンでも見られる状態と、特に変わっていない様子だ。
単純に、じっくり近くで見れる機会がなかったから、そうしていただけかもしれないのだ。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
焦るわかば
わかば「めっさ寝てた…。 ちょっと頭冷やそう。」
寝てたのはりんなのに、わかばが頭を冷やす、とは、少し変な言い回しである。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りんのことを言っているなら、
「めっさ寝てた」→「ゆっくり寝かせてあげよう。」
という言い回しになるはずだ。
そうではないのは、
この発言は、
直前に、穏やかな表情のりんを見てうろたえてしまった自分に、
言い聞かせているためのものだからだろう。
汗が出るほど焦っている。
「寝てるだけだ… 落ち着こう。」という感じだ。
ここまでのわかばにとってりんは、
常にしかめっ面で睨んできて怖い(しかも強い)という印象だ。
そんなりんの、穏やかな表情を突然目の当たりにして、衝撃を受けたようだ。
いわゆるギャップ萌えというやつだろう。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
穏やかな表情を自分に向けられたと一瞬勘違いしたためか、
「いや違う、めっさ寝てた。」
と、その後続いたのかもしれない。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
どこでも生える、ケムリクサ
ケムリクサは、六島の穴の中にでも生えている。
通常の植物のように、土の上から生えているわけではなく、
人工的に舗装された道の上でも、自生できているようだ。
金属の上でも問題ないようだ。

【出典】『ケムリクサ』第5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
結局は、島全体は、ケムリクサで抽出・コピーされたものなので、
どこでも発生しうる、ということなのか。
この穴にも、キイロとアオイロしか見られないようだが、
この2種は、水が無くても比較的長く生きられる強い品種なのかもしれない。
次回、第6話!
ついに5話の考察が完了!
遅すぎる! すいません!
次回!
りく登場!

ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
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コメント
りりの「これで…」は11話のOP直前のセリフにもありますね~
1話のわかばの寝言と違って、りんの場合ははっきり言ってないのが難しいところでしょうか。
何れにせよ、りりの記憶からきているのは確かでしょうね~
そのとおりです。 赤い木を生み出したときですね。
「たぶんこれで… この木にあげる水、持ってこなくちゃ。」
「これで」の後に、「わ」が見当たらないため、除外していました。
しかし元々のりりの発言「…」内に、「わかばのお仕事もすぐ終わる」というような心の声が含まれていたとすれば、
ここも該当すると思います。
何も根拠はないわけですがw
おかえりなさいませ、更新お疲れさまです。
りんの寝言ですが、一時期記憶の葉の影響説が強かった覚えがあります。記憶の葉の情報がかすかに流れ込んでいたのでしょうか。
個人的に序盤時点での、りんの赤面はその都度りりの記憶が惚れ直していたという考察が好きです。
ケムリクサですが、道端に落ちている物はほとんど自生しているかの様な書かれ方が不思議ですね
ミドリはミドリちゃんなど木のレベルまで成長したものからしか取れませんが、ミドリとそれ以外の色の差が気になります
ありがとうございます。元々遅い更新が、さらに空いてしまいました。
記憶の葉がなぜか動き出した、りりの意識が影響していた、
色々と考えられることはありますが、
ここで私個人の「考察」として偉そうに語るからには、自分なりに納得のいく「根拠」を持って語るようにと、気をつけています。
そのため、時には既にある主流の考察・創作を否定するかのようなことを書いているかもしれません。 ご了承ください。
それはそれとして、常日頃、色んな方の、色んな想像を、楽しく拝見しております。
りりがワカバに惚れてたって、りなじがわかばに惚れてたって、いいじゃない。
作中において自生していたの確認できたケムリクサって、アオとキだけなんですよね。
キミドリ(電撃)、モモ、アイなども、どこかに生えていたとは思うんですが…
ここんところは描写がないので、なんとも言えませんね。
更新お疲れさまです。
りんを見つめるわかばのセリフ、ugさんの記事を見るまで
「めっさ見てた。。ちょっと頭冷やそう。」だと思ってました。
ツンばかりで近寄れなかったりんさんの無防備状態の葉を間近で見るなんて、やーらしか。ww
自生ケムリクサは3話のウスイロ、7話のイチョウ、ササ、ムラサキ もありますね。
イチョウは木・自生両方あるのになぜミドリは木から生える形なのか。。
ケムリクサ自体にはホント謎が多すぎる!
言われて、「めっさ見てた」と聞き違えたのかと焦りましたが、
これは「寝てた」ですね! 間違いないw
湖の周りには、水のおかげか、クサがたくさん生えていましたね。
りなは「なんかいっぱい落ちてる」と言っていたので、ワカバの遺品の可能性もありますが。
その辺は、7話の考察のときにじっくり考えますか。