【ケムリクサ考察】第8話 Bパート 前半

アニメ
【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。

内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、

物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。

※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。

※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、

 遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。

※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。

 

作品の公開順に追っています。

ここでは、第8話Bパートの前半(シロの仲間たちとの出会いから)について。

過去の記事こちら

【ケムリクサ考察】まとめページ
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。

第8話 Bパート 前半

※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て

『ケムリクサ』第8話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。

 

モニターを備えているのは、シロだけ

シロ「ヌシノ イウコト キク」

シロと同型のロボットたち(便宜上、以降は「ムシ」と呼称)は、ここでは2種類存在している。

上部にモニターがあるのがシロ(ヌシ)で、モニターが無いのはその他大勢となる。

【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

わかばのことは、「ワカバ」もしくは「センチョウ」と呼んでいたので、

ヌシ」というのは自分たちのことを指している

ここでは、わかばに、「我々の話を聞いて下さい」と促したことになる。

 

モニターの言葉は、黒文字は、シロ自身の発言

白文字は周囲のムシたちの発言を代弁したものと思われる。

【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

自分が、全員の話を伝える窓口となる意味も込めて、

ヌシ(自分たち)の発言を、私を通してきいて」と、わかばに伝えたのだろう。

 

 

「座って」に対する反応、いろいろ

ムシたち「マア ドウゾ スワッテ」

わかばたちに、座るよう促すムシたち。

【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

シロに好意的なわかばは、すぐに着座する。

だが、これはわかばにしか読めていないはず。

りなたちが座ったのは、わかばが座ったことに倣った、ということになる。

わかばはシロの言うことがわかっている」というのは、りなたちにも既知である。

 

警戒心の強いりんは、座らず腕組み

警戒をしつつも、わかばがシロから何かを聞き出すと、察している様子である。

 

りつは、電車から離れず、耳だけを持ってきている。

りなむと、りなじ以外のもう一人と共に、電車内で留守番しているようだ。

拠点となる電車を無人にしない、というのは、ずっと守り抜いてきたことなのだろう。

【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

船の中が管轄

ムシたち「ココ? フネノナカ 

 ココ ボクラノ カンカツ

ムシたちの言う「船の中」とは、巨大宇宙船のことを指しているのであろうが、

このとき遊覧船の中にいたため、ミスリードとなっていたようである。

つまり、わかばおよび視聴者がイメージした「ここ」と、

ムシたちの言う「ここ」は、大きく食い違っていたということだ。

管轄」と言われて、遊覧船が一拠点であるように思ってしまいがちだが、

上記のとおりなら、

巨大船内全体が、シロたちにとって一管轄だったということになる。

船長ワカバやシロたちが元いた世界は、どれだけスケールの大きい世界だったのか。

それとも大雑把なだけか?

 

船長ワカバのスケール感は、わかばに受け継がれなかったのか、

わかばの指す「ここ」とは、遊覧船内もしくはダム一帯を指していたようである。

 

ちなみに、この「」に関する件は、

1話冒頭で発見した船が、りんたちには「船」だと理解されていなかった様子から、

視聴者はミスリードだと気付けるようになっている。

恐るべし。

【出典】『ケムリクサ』第1話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

ムシたちの身の上話

ムシたちの発言が続く。一つずつ見ていこう。

九島方面から移動してきた。眠っていた理由は?

わかば「眠っていた。 赤い根だらけ。 赤い根、赤い煙、危ない。

 向こうから山を越えて、やってきた。」

わかば「船長、いなくなった。 仕事、失くなった。

 町、沈んでいってる。 低いところ、赤い煙、危ない。」

ワカバ船長がいなくなり、統率が取れなくなったムシたちは、

赤い根赤霧の侵攻から、ここまで逃げてきたようである。

つまり現在、九島以降には、汚染されていない白いムシは皆無、ということになる。

 

眠っていた」というのは、エネルギーの消耗を抑えるための措置だと思われるが…

ムシたちは、りんたちと同じくケムリクサを本体にしていながらも、

10話において、「シロは水いらない」と言われていたので、

一体何を消耗していたのか、不明である。

【出典】『ケムリクサ』第10話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

逃げてきた時期と、壁の性質

りつ「九島の方のことって、何かわかったりするにゃ?」

わかば壁、作られたので、わからない。 戻れなくなった。

 壁も、青い煙、危ない。 青色になる。

 煙の命令より、船長の命令、好き

 船長の命令、生きがい。 船長、やって。」

赤い根が七島まで侵攻したのと、壁が作られたのは、ほとんど同時期だったはずなので、

ムシたちが九島から逃げてきたのは、それ(11話後半)より少し前の出来事ということになる。

 

青い煙が出る壁は、ワカバの建てた壁のことだろうが、

八島以降に建っている様子は無い

九島の山の頂上付近に、赤虫のヌシが作ったと思われる壁はあったが…。

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

ここで言う作られた壁」というのが、九島の壁のことで、

青い煙を出す壁」は、七島側の壁のことを指しているのだろうか。

一応それなら、辻褄は合う。

 

青い煙は、間接的にワカバ船長からの命令が発せられているのかと思いきや、

ムシたちにとっても、自我を失う危険な煙、と認識されているようだ。

青い煙は、ワカバ船長からの命令ではなく、青い壁が自律的に出した命令、ということになる。

「守り」に特化しているが、青い壁も本質的には赤い木と近いのかもしれない。

 

 

謎のタブレットは、謎のまま

シロ「チズ モラッタ ミル?」

シロが他のムシと近距離無線通信して、地図を受け取っていたが、

なんとその情報を、わかばの持っている、謎のタブレット的ケムリクサにも伝達できたではないか。

【出典】『ケムリクサ』第8話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

この便利なタブレットは、本当にどこで見つけたものなのか…。 謎のままである。

 

 

次回、第8話 Bパート 後半!

8話で一番情報量が多いのが、ここのBパート前半であろう。

後半は、感情的なシーンが多い。

 

次回! アカイネ セツダン

【ケムリクサ考察】第8話 Bパート 後半
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。ネタバレ必至です。 ここでは、第8話Bパート後半について。

 

ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。

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コメント

  1. yurika より:

    待ってました!
    いつも考察楽しみにしています。

    • ugug より:

      ありがとうございます。そう言って頂けると励みになります。
      ちょっと間が空いてしまいましたね。

  2. ルーン より:

    改めて細かく8話後半を見てみると、シロ型の彼らは9島から逃げてきたとは一切言ってなくて、「アカイネ、ヤマヲコエテキタ」と言っているので、その後のリナの「9島から逃げてきたのかな」のセリフで皆そう思ってるのかもしれません。
    少なくとも、ワカバ船長が壁を作ってから居なくなっているはずなので、彼らは元々、この8島の整備と維持を仕事として命令されていたのではないでしょうか?「帰れなくなった」というのはそういう意味だと思いますが。
    11話のモニター付きの”ヌシ”と”シロ”が形が違うので、各島(コピーした区画)毎にそれぞれ、管理用のムシが配置されていて、それらのトップに命令伝達用にモニター付きの”ヌシ”がいると考えると、納得できます。

    • ugug より:

      そうですね。確かに、ムシたちが「九島から来た」とは明言していないです。
      しかしここでは、りなとムシたちの間では、会話が成り立っており、
      実際「九島から来たなら~」という発言に対し、「それ賢い」と返していますね。
      九島から来たわけじゃないなら、否定するはずです。
      なので、全てのムシではないかもしれませんが、「九島から移動してきた」という事実は、確かかなと思っています。
      島ごとにヌシがいる、というのは、確かにそうかもしれません。
      この辺は、11話の考察にて取り上げるとしましょう。