【ケムリクサ考察】第6話 Bパート 前半

アニメ
【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。

内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、

物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。

※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。

※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、

 遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。

※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。

 

作品の公開順に追っています。

ここでは、第6話Bパートの前半(りょくの日記とりりのメモ)について。

過去の記事こちら

【ケムリクサ考察】まとめページ
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。

第6話 Bパート 前半

※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て

『ケムリクサ』第6話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。

迷子のケムリクサアホ

今しがた、道に迷って困っていたはずなのだが、

歩きスマホならぬ、歩きケムリクサをしながら帰路につくわかば

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

ケムリクサに夢中になっていたら迷ってしまったことを、もう忘れているようだ。

ケムリクサアホと言われても、仕方がない。

 

 

ケムリクサの使い方

わかば「この出てくる円の触り方で、効果とか威力が変わるんだな。」

アオイロのケムリクサに、複数の円が、さらに円状に表示されている。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

形成する円は、小さいものから順に、大きくなっているようで、

選んだ大きさによって「威力」に関わってくるのだろうか。

効果」については、その触り方か?

タップ、フリック、スワイプといった、タッチ操作で、変化が出るのかもしれない。

詳しい使用方法については不明。

 

だが、アオイロだけに関して見ても、

今後わかばは、様々な使い方をしているのがわかる。

12話の赤い木との戦闘シーンでは、前方に壁を作るだけではなく、

立法体形状にしたり、柱状にしたり、多彩である。

【出典】『ケムリクサ』第12話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

りょくの日記

りょくの日記大公開!

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

一つずつ順に見ていこう。

表紙

このせかいの

しくみについて

4話において、ダイダイを振っただけで、このページが開きかけていたので、

日記の表紙、のようなものだと思われる。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

続きから察するに、りょくが初めて書いた文字のようである。

最初はひらがなの読み書きしかできなかった?

これじぶんでもかけそう

じゃん てことでかいてみる

自分でも書けそう」ということは、既に別のものが書かれているのを確認している

それは「りりのメモ」で間違いないだろうが、

この時点では、りょくひらがなしか読めないようで、

漢字とカタカナで書かれた文章は、解読できていない模様。

 

生まれて間もない状態で書き始めた?

いろいろしりたいけど

まずじぶんたちのことをしっ

て いきぬかないと

ダイダイは、りり消滅する寸前まで所持していて、

同じ場所から、りょくたち六姉妹が誕生した。

そのため、姉妹は生まれた瞬間にイダイを入手できたはずである。

まず」という言葉から、

少なくともこれより以前のページは生まれて間もない状態で書いたことが推測される。

 

「ケムリクサ」は最初から知っていた?

けむりくさがだいじっぽい

ひからせるのはりくしかでき

ない しゃくだ

ケムリクサを、「ケムリクサ」と知り得たのは、なぜなのか。

りりのメモでも、「ケムリクサ」という単語は、カタカナで書かれているため、

りょくはこの時点では読めていなかっただろう。

読めていたなら、ここでは「ケムリクサ」とカタカナで書くはずだ。

 

生まれたときから、ひらがなを読む程度の知識が備わっていたのと同じように、

りり日常的に使用していたケムリクサも、基礎知識として受け継がれたのかもしれない。

【出典】『ケムリクサ』第11話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

このとき、りくは既にケムリクサを光らせていたようだ。

生まれた順番で姉妹としているので、末女のりょくが生まれたときには、

姉妹は全員揃っていたことになる。

りくは、りょくより一足先に生まれて早々、

その場にあったケムリクサを手当たり次第操作していたのだろうか。

りりが消滅した直後だが、そんなドタバタがあったかと思うと、なんとも微笑ましい。

 

水が必要なことは、本能でわかった?

わたしたちや けむりくさの

えねるぎーとしてみずがひ

つようみたい

ケムリクサに水が必要であることが、わかりかけている

自分たちの体内にクサがあること、それが水を消費していることは、

自分の体だから気づけたのだろうか。

これもりりのメモが読めていたとしたら、

わざわざ自分で同じことを書くことは考えづらいので、

やはり読めていなかったのだろう。

 

はじまり」においては、

水が必須であることを確信している。

つまり、このページが書かれたのは、少なくともそれよりも、ということになる。

【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1035542093945438208

 

島、壁、人

ここで、背景のシーンが変化するため、

読んでいるページも、いくつか飛ばして少し先に進んでいるとも考えられる。

このせかいは いくつかのし

でできている

あいだにかべ

りょくは、二島に辿り着く前に死亡したはずなので、

一島から、いくつかの島と壁を、視認していたことになる。

「はじまり」においても、「りょくちゃんが見た島」と言っている。

 

むかしはひとがいた?

かなりたくさんいたっぽい

どこいったんだろ

3話のわかばと同様、膨大な建造物を見て、

元は多くの人がいた」と考えたようだ。

 

漢字の解読に動くりょく

もじがべんりじゃん

このむずかしいのよめたら

もっといろいろわかりそう

このむずかしいの」とは、ひらがな以外の文字、特に漢字のことを指していると思われる。

りりのメモを見ながら、日記を書いていたのだろうか。

8話の日記や、9話の会話で、メモに書かれていた「記憶の葉」について語っていたため、

最終的に漢字も読めていたようである。

 

0.5話のシーンは、まさに漢字の解読のために、一島の文明を漁っていたところだろう。

【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1046396731611537408

 

読めなくても伝わった意図

さいしょのひとはなにかか

くしている?

しんようしていいのか?

消滅した人(りり)が、さっきまで同じ場所にいたことは察したであろうが、

その人が、メモの一部を消しているのを見て、何かを秘密にしている」と考えたのだろう。

内容は読めなくても、それだけはわかった。

 

 

作中で読めたのは、日記の一部だけ?

りょくの日記を読み始めたわかばは、その場に立ち止まってしまったが、

背景は次々と切り替わっている

座り込んですらいる。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

つまり、歩きながらも、長い時間かけて読んでいるということであり、

作中で視聴者が読めているのは、そのほんの一部、ということだと思われる。

 

表示された内容からはわからないことを、わかばが発言しているのも、その裏付けとなる。

わかば「でもこれ書いた人、悪い人じゃないな。

 ちょくちょくメモで、りんさんたちを心配してるもんな。」

 

ダイダイの内容を「読ませてくれる」表現

珍しく、作中世界を「作品」として見た考察を一つ。

本作では、心理描写などを直接的に描くことがほとんどない

わかりやすく言うと、漫画的な心の声」が、ほとんど表現されない

1話でりんの心の声がたびたび表現されていたのは、

見始めた視聴者がりん感情移入しやすくするため、「あえて」のことだろう。

なにせいきなりぶっとんだ世界観で始まったわけだから。

しかし、2話以降、りん心の声聞こえることはない

 

「現実的に、見えるものだけを描いている」

絶対、というわけではないが、少なくとも、それを重視しているようだ。

(個人の感想です)

 

そのため、ダイダイを読むシーンの見せ方は、少し異質に感じる。

「わかばが読んでいるもの」をそのまま見ているわけではなく、

わかばが読んでいるものの一部を、

見せてもらっている

画面上にデカデカと映し出してくれている。

ある種のメタフィクションというか、

製作者側が、視聴者側に、はいどーぞ!見せてくれている

それもあってか、このシーンでは、ここまでには無かった異様さを感じられる。

なんだなんだ? なんか来たぞ!とならなかっただろうか。

これが狙ってなのかどうかわからないが、

とにかく6話において、ダイダイの内容は、かなり印象的となったと言えよう。

 

わかばにとっても、同じく印象的だった。

わかばこれが知りたかった…!

 世界について調べてたのかな? すごい…

 言われてみれば、壁周りって、不思議な繋がり方かも。

 あっ! もしかしたら、地震と関係あるのかな。」

視聴者をわかば感情移入させるためにも、こうした見せ方をしているのかもしれない。

 

余談だが、

この6話以降、わかばの心の声が、たまに聞こえる

(りくに対する「こわい」や、りょうに対する「変な人だぞ」)

 

りょくはなぜ、日記を書いたか

りょくの日記は、りりのメモとは、書き残した目的が全く異なっている

 

りりのメモは、自らの記憶や知識が、

ケムリクサ化した自分に受け継がれない不足の事態に備えて残されたものだ。

人に読ませることを前提にした、「書き置き」や「マニュアルとなる。

 

一方、りょくの日記は、結果的にわかばの役に立ったものの、

元々人に読ませる気はさらさら無かった

他人に絶対読まれたくない、秘密の日記

どうせ読める人がいないので、「読ませる」も「読まれたくない」も、

あまり考えていなかったかもしれないが。

りょくにとっては、自分の調査内容を振り返る研究日誌のようなものであり、

また、残念な姉たちへの心配を、隠さず発散できるものでもあったのだろう。

【出典】『ケムリクサ』第9話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

 

りりのメモ

続いて、さらなる衝撃、「りりのメモについて、

これも一つずつ見ていこう。

いきなり不穏な空気

分割後の私へ

世界の秘密をのぞき見ていたら、

さらにヤバいのが顔を出してきた。

 

分割後の私」というワードが、いきなり不穏すぎるのだが、

それに呼応するかのごとく、BGMも不穏なものに切り替わる。

それに反して、わかばそこまで不穏さを感じていないので、

この不穏な空気は、視聴者の心境に寄せたものになっているのかもしれない。

 

文字が変わってる

わかば「あれ…? ここから文字が… 変わってる?

文字が変わっている」というのは、ひらがなだけの文章から、

漢字が使用されていることに対してだろうが、

字体についてもだろう。

筆跡はもちろんだが、なにより文字が細い

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

りりがメモを書いているときは、何かペンのようなものを使用していたことが、11話からわかる。

ケムリクサ用のタッチペン、といったところか。

【出典】『ケムリクサ』第11話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

ちなみに、句読点なども使用している。

 

一方のりょくだが、

りょくが日記を書いている描写は無いため推測になるが、

その太さから、指で直接書いていたものと思われる。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

8話の日記の時点では、漢字もだいぶ読めてきていたようだったが、

漢字を書かないのは、指による太線だと書くのが難しいからというのも、

あったのかもしれない。

 

りりは分割後の想定外を予想していた

分割後の私へ。

これを見ているという事は

何かトラブル?

りりは、自身を分割して成長させた六人は、

自分とほぼ同じ記憶と人格を持っている、と考えていたようだ。

この書き置きは、もしものときの備えのような書き出しだ。

 

あるいは、「分割後の私」とは、

母体である自分自身を指しているとも取れる。

この場合、分割を施したことによって、自身の記憶に障害が起こることを、

危惧していた、ということになる。

 

どちらにしても、結果は大きく外れ、

生まれた六人は記憶も無く、人格も異なり、

りりは消滅する道を選んでしまった。

 

記憶の継承について

記憶の葉を持ってる私

1人いるはず。

詳しくはその子に聞いて

大体解決すると思う。

無いと思うけど

記憶の葉が機能していない場合、

まずは何度か開くかしてみて。

記憶の葉を持ってる私」が、記憶の葉機能使い方知っているという前提で書かれている。

本来は、所持者が意図的に記憶の葉から情報を取り出すことができたようだ。

聞けば解決するという言い回しから察するに、

記憶の葉が機能していれば、その葉の所持者は、

その記憶を持っている状態」と同じことだったのだろう。

 

それができていなかった場合に、「開く」という操作が必要だった。

無いと思うけどと書いているくらいなので、

念を入れすぎていると思っていたようだ。

 

しかし実際は、

記憶の葉の機能は止められ、開けないようロックも施してしまった。

 

ケムリクサ生命体に関する知識

分割後はケムリクサで動くことになるから、

お腹はへらないけど

水はちゃんととって。

ケムリクサで動く生命は、腹は減らないが、水が必須

この知識、人間であるりりは、どこで知り得たのか。

ケムリクサで動いていて、りりの世話もしていたヌシたちは、

水を必要としていなかった

10話においても、「シロは水要らない」と言われている。

【出典】『ケムリクサ』第10話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

りりの実体験に基づく知識でないとすると、

考えられるのは、ワカバから教わっていた知識だった、ということだろう。

ワカバは、地球上の動物を、ケムリクサ生命として再生させたことがあるのかもしれない。

 

ここまでよめてるよね?

あれ、文字って読めるよね?

ここまでよめてるよね?

読めない子にも共有すること。

記憶が受け継がれない、かつ記憶の葉が機能していない場合、

文字を読むなどの能力も失われている可能性を、ここで思いついたようだ。

ここまでよめてるよね?と、わざわざひらがなに書き直している

が、さすがに全員が読めない事態にはならない、と思っていたようだ。

実際は、読めるのが一人だけで、しかもひらがなしか読めて無さそうだった。

 

また、「読めない人」ではなく、「読めない子」と表現しているあたり、

自分が六人の親代わりになるという認識があったようだ。

 

決意と失意

さいご、念のためにだけど

私たちの目的ワカバの所に

行くこと、ワカバを助けること

ここでも「念のために」と付け加えているほど、

記憶の継承に、問題が起きるとはほとんど思っていなかったようだ。

 

この直後、分割を実行したが、

その途中で、「この目的は意味がない」と判断することになってしまった。

ごめん、ここについては忘れて、

すきにいきてもらえるとうれしい

記憶の葉も

直前までは、「私たちの目的」と、自分自身にも戒めるような言い回しをしていたが、

その後、すきにいきてもらえるとうれしい」と、他人行儀な言い回しになっている。

自身が消えることを選び、記憶の葉も開けないようにしたことで、

六人は自分との繋がりが無くなる、と判断したのだろう。

【出典】『ケムリクサ』第12話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

この辺については、いずれ11話、12話の考察で詳しく述べることにしよう。

 

りりのメモにも、視聴者が知らないページがある?

りょくの日記は、ほんの一部を見せてもらっている様子だったが、

りりのメモに関しては、ほとんど全ての情報が開示されたようである。

りりのメモを読むために開いたのは、作中ではこのとき以外に無かった

9話のりょくも、りりのメモについて、

基本的な事は書いてたけど」と発言している。

 

もちろん、ページがいくつか飛ばされている可能性もある。

りょくが書き残した「ミドリイロのケムリクサについて」の内容の情報元は、

りりのメモが有力だと考えられるからだ。

読み終わったときには、六島の入り口付近に着いていたので、

そこそこ時間が経っている様子でもある。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト

 

わかばは漢字は読めていたのか?

分割後の私」など、かなり重要そうなワードがあるのだが、

それらに関して、わかばは一切発言していない

意図的に消された部分に関してだけ、コメントしている。

わかば書き損じかな?

 これってどっちを、誰が書いたんだろう。」

六姉妹に比べると、多くの知識を有して生まれたわかばだが、

文字に関しては、りょく同様、ひらがなしか読めていなかった可能性もある。

 

 

次回、第6話 Bパート 中盤!

6話Bパート、情報量のかたまり…

 

次回!

六島、本格上陸!

【ケムリクサ考察】第6話 Bパート 中盤
アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。 物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。 皆様の参考となれば幸いです。ネタバレ必至です。 ここでは、第6話Bパート中盤について。

 

ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。

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