アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第3話Bパートの中盤(二島テーマパーク内、ジェットコースターでの会話)について。
過去の記事はこちら。

第3話 Bパート 中盤
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第3話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
本体の葉を持たない、わかば
わかば「じゃあ僕、どこから来たんでしょうね。」
りん「お前はヒトじゃないだろ。 血も赤いし。」
りなっち「葉っぱも持ってないしナ。」
りなじ「なんなのナ?」
わかばは、りんたちと違って、本体の葉があるわけではない。
そのため、水を大量に飲む必要もない。
一方9話において、りょうには、
「ケムリクサのにおいはするけど、私らとちょっと違う。」
と言われる。
さらに、「ケムリクサを排除する」という意志を持つあかむしに攻撃されてもいる。

【出典】『ケムリクサ』第2話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
以前考察したとおり、わかばはケムリクサを経由して誕生(再生)していることから、
根本は、ワカバと同じヒトだが、ケムリクサの属性も付与されたような状態なのかもしれない。
“最初の人”が死んだことを知っている
りん「私たちは、一島で生まれた。」
りな「“最初の人”って人から生まれたんだナ!」
わかば「へぇー。その方は?」
りん「死んだ。私たちと入れ替わりでな。」
最初の人から生まれ、その人が入れ替わりで死んだ、ということを、
なぜ知っているのか。
確かに、りりが消滅してから、りんたちが生まれたことに間違いはない。
知ったのは、りょくだろう。
まずりょくは、りりが遺したメモを見たことで、
「誰かに生み出された」ことは把握できた。
さらに、その“誰か”が、たった今この場で消滅したことは、痕跡から推測した?
ケムリクサの使用状態、人がいた温もり、
ケムリクサ化したりりが散った跡、そういった痕跡から。

【出典】『ケムリクサ』第12話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
そうでもなければ、
「入れ替わりで死んだ」とは推測できないはずだ。
だとすると、誕生した瞬間から、りょくの知識欲は全開で発揮されていたことになる。
目の前の情報を得られるだけ得て、後に色々わかってきたところで、
全てが繋がり、「最初の人は入れ替わりで死んだ」という結論を導き出した可能性もあるので、
誕生した瞬時に、全てを理解したわけでも無さそうだが。
風が吹いている
高いところに上がると、風が強く吹いているが、
ここは宇宙船の中である。
風は、簡単に言うと、大気の温度差によって吹くわけだが、
これだけ大きい船内なら、温度差も生じて、風も吹くのかもしれない。
もしくは、船の空調がまだ生きているとか?
船外と完全に断絶されていたということは、ないはずだ。

【出典】『ケムリクサ』第3話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
嗅覚でケムリクサを探し当てる、わかば
風が吹いていることも関係しているのか、近くにケムリクサがあることを、
においで判断したわかば。
りんやりなは、嗅覚に優れていないため、気づかなかったようだ。
その後の発言からもわかる。
りな「でも、なんであるってわかったのナ?」
わかばの五感の内、視覚・聴覚は現実の我々とほとんど変わらない程度だと思われるのだが、
嗅覚については、やたらと鋭い。
仮に、香りの強い花の花壇でもあればわかるかもしれないが、
苗木一本を嗅ぎ当てるのは、もはや犬並みだ。
このウスイロのケムリクサのにおいが、よっぽど強いのか?
りりは、ウスイロを、茶葉のようにも扱っていたので、
案外、香り高いのかもしれない。

【出典】『ケムリクサ』11話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
ちなみに、わかばは触覚の鋭さを増してくる。
水も無さそうな場所に、枝付きのケムリクサ
ジェットコースターのコース最上部なんて、水が一切無さそうな場所に、
よく枯れずに、枝付きのケムリクサが残っていたものだ。
一島を始め、各地のケムリクサも、水もないのに残っているため、
野生のケムリクサは、
「水を与えれば成長するが、無くても状態を保ち続けられる」
のだろう。
生えているだけなら、エネルギーを消費することもない、ということか。
全く不思議である。

【出典】『ケムリクサ』5話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
本能に忠実なわかば
おいしそうなにおいがしたので、とりあえず食べた、
とは、なんでも口に入れる幼児のごとき所業だ。
ケムリクサに関しては、幼児並みに強すぎる好奇心を持っているということだろう。
ケムリクサアホだナ。

【出典】『ケムリクサ』第3話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
混ざっちゃうケムリクサ
りな「ケムリクサはみどりちゃん以外、食べないほうがいいナ。」「混ざっちゃうナ!」
りん「ケムリクサは何が起こるかわからないから、みどり以外食べないで!」
ケムリクサが混ざる、という情報は、
おそらく、そのことに怯えていたりりがメモに残していたものを、りょくが解読したのだろう。

【出典】『ケムリクサ』第11話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
しかし、そうだとすると、ウスイロを食べられることは、りりは知っていたはずだ。
11話にてワカバは、
「ミドリイロは、人のケガを治すから大丈夫」、
「ウスイロ以外を食べたりするのはダメ」、
と発言している。
「食べる」という行為が必要なくなるから、メモに残さなかったのか。
「お腹はへらない」というメモは、作中でも確認できる。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
あるいは過去に、りなが好奇心からケムリクサを食べて、「混ざっちゃった」ことを、
経験済みなのか。
もしそうだとしたら、一体どうなってしまったのか、気になるところだ。
しかし、りんの口ぶりは、過去に食べてしまったため禁止している様子でもない。
言い伝えを信じているような様子だ。
嗅覚に鋭いりょうを思い出す、りん
りん「しかし、さっきあいつ… においがどうの…。 あれは…。」
これに言葉が続くとすれば、「りょうも同じことを言っていたな。」
と、いうようなことだろう。
Bパート前半では、りくのことが、
今回は、りょうのことが、わかばと重なって見えている。
そして次回は…。
次回、第3話Bパート後半!
というところで、
今回は少し短いが、ここで電車に戻るので、一旦切る。
次回!
休憩終わり! 地震来たる!

ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
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コメント
二話でアカムシに攻撃されたのは直前に拾って持っていたケムリクサが狙われただけでわかばを狙っていたわけではない可能性もありますね。
それ以降最終話くらいまでわかばが直接狙われている描写はないですけど(わかばがガッツリ戦闘しているシーン自体少ない)、赤い木に貫かれたときに上手くミドリで受けることが出来たのはわかばを狙っていたのではなく、わかばの持っているケムリクサを狙っていたからという考察もありますし。
そうですね。それも考えたんですけど、
結局りょうが、わかば自身に対して「ケムリクサのにおいはする」と言っているので、
あかむしにも、そう認識されてるんだろうな、という考えに至っています。
2話のあかむしの攻撃も、腰ポケットのクサを狙ったにしては、上半身めがけてますからね。
12話も、わかばの「とっさにみどりごと貫かせた」という発言を信用します。
わかばが戦うシーンが少ないから、はっきりわからん、というのは、確かにそのとおりですね。
7.5話、9.5話あたりが見たい!