アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第3話Bパートの前半(二島テーマパークから、りなたち発見まで)について。
過去の記事はこちら。
第3話 Bパート 前半
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第3話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
呼びかけをする、わかば
わかば「りなさーん! りんさんが探してますよー! どこですー?」
静かなところで人探しをするなら、大きな声で呼びかける。
我々にとっては、至って普通のことだろう。
わかばも、そうしてりなを探している。
しかし、りんは声をあげて探してはいない。
誰よりも姉妹を心配し、全力でりなを探しているはずだが、無言で周囲を見回す。
これはなぜか。
聴覚に優れていないりなは、
遠くから呼びかけたところで、聞こえない
からだ。
実際りなこも、1話で「遠くはよく聞こえない」と発言している。
つまり、呼びかけで探すことは、ほとんど無意味だと、りんは知っているということだ。
未だ完全に信用していないわかばには、わざわざその事は伝える気はなさそうだ。
信用していないから、電車に放置もせず、
再びリードを繋いで自分の目の届く範囲にいるようにしているくらいだ。
わざわざりなの弱点になるような情報を、開示したりしない。
大量の人はどこ?
わかば「一島もそうでしたけど、かなり…大量の人のための…。
その人たちって、どこに…?」
大規模な廃墟に対し、人が全くいないことに対して、考え始めるわかば。
「どこに?」という疑問で途切れるため、
視聴者は「どうして人がいなくなったのか?」と、自然に考える。
実際は、人は元々いないため、考えを巡らせる方向を完全に間違えている。
巧妙なミスリードであるが、
わかばがそう考えるのも、至極当然のことである。
故に、視聴者も気づかない。
少し後で、この続きが語られる。
わかば「不思議なところですね…。 何のための施設なんでしょう。」
りな「そうな? わかばは変なこと気にするんだナ。」
りん「わたしたちの前に、この島に住んでいた人がいた… と聞いた。」
りょくの推測を、りんたちも信じている。
この話は、6話の「りょくの日記」にも記されている。
誰もウソをついているわけでもないので、
視聴者の考えも、ますます明後日の方向へ。
微小な揺れには気づかない、りん
わかば「あれ? なんか揺れて…ます?」
りん「なんのことだ?」
軽い地震に気づくわかば。
全く気づいていないりん。
りんは、触覚に優れていないため、この程度の揺れには気づかないのだろう。
この揺れは、3話終盤の本震の予兆のようだ。
りなが投げた破片?
倒れてきた鉄の門を、腰も入れずに手で払いのけるだけで吹き飛ばすりんのパワーは、
相変わらず凄いが、
気になるのはその後、わかばに当たった破片についてだ。
りんが吹き飛ばした方向とは、明らかに逆向きに飛んできている。
飛んできた方向には、誰がいたかというと、りなである。
「この形は食べたことあるナ!」
とでも思って、適当にぶん投げたら、
運悪くわかばに当たったのかもしれない(笑)。
つまみ食いはダメ
りん「こーら! つまみ食いはダメだろ?」
やや呆れた様子で、りなたちをやんわり叱るりん。
「ダメだろ?」という言い方から、以前にも同じことがあって、
「もうしない」と約束をしたような様子だ。
「つまみ食い」(というか、ほぼ「拾い食い」)で、過去に思い当たるのは、
3話Aパートの会話で出てきた、
「初めて二島に来たときに、りなが変なもの食べて動けなくなった」
というアクシデントだろう。
おそらくそこで、姉たちに心配をかけたので、「もうしない」と誓ったのだろうが、
全くこりていないようだ。
本能には勝てない。
りくみたいなわかば
りん「本当に脆いな…。」
りなじ「どんくせえナー。」
りなっち「ちょっと、りくちゃんみたいだナ。」
りなじ「そうか? あんなにどんくさくなかったナ。」
りんが頑丈なのは、りょうも認めるほどだが(0.6話)、
ここでこう言われるということは、
りなたちと比べても、わかばはよっぽど脆い、
ということなのだろう。
痛覚(触覚)があり、痛がっているのがやたら目立つせいかもしれない。
会話の流れから、
「わかばのどんくさいところが、りくに似てる」
と言われているようにも受け取れるかもしれないが、
りなっちの感じた「りくに似てるところ」とは、
「痛がるところ」ではないだろうか。
6話にて、りくが「痛い」という感覚について、わかばにアツく語っていたことから、
他の姉妹たちには理解されていなかったことが推測される。
2話で毒についての会話でも、
「痛むのか」というりつの質問に対して、
りんは「そういうのは無い…と思う」と、自信無さげに回答していた。
りくならはっきりわかる、とも続けている。
つまりりなっちは、
りくだけが持っていた感覚を、わかばも持っていた様子を見て、
「似ている」と判断したのだろう。
もちろん、「どんくさい」のも当てはまるが(笑)。
大きいものでも、縮めて出し入れできる
りなのスカートの中から、ありえない体積の物体が取り出されるが、
よく見てみると、
小さい状態で出てきて、取り出すと一瞬で大きくなるようだ。
逆に、大きいものを食べるときには、
口に入れる瞬間に縮んでいく。
原理について追求したところで、わかるわけはないので、
「そういうものだ」と思っておこう。
りんさんも、「未だに理解できない」と言ってます。
りなのグルメ道
りなじ「つまみ食いだナ!」
りなっち「こういうところで貯めておくんだナ。」
りなじ「しっかり食べて、色んなこと知っておかないとナ。」
りなっち「新しいもの食べると、調子がいいのナ!」
りなじ「これでりなたちを増やしてるんだナ。
おいしいものたくさん食べて、りなちゃんまた増えるんだナ。」
食べることに特化したりなについての情報が、ここで一気に明かされる。
まとめると、
おいしいもの=新しいもの をたくさん食べることで、
「モモちゃん(ケムリクサ)」にエネルギーが貯まり、
それがりなの分身体を増やすエネルギーにもなっていくようだ。
なんでもかんでも食べればいいというわけではない。
言わば、りなはグルメ。
最大の弱みを教えてしまう、りな
わかば「それ… 皆さん持っておられますよね?」
りなっち「葉だナ。ここさえやられなければ、大丈夫だナ。」
2話でもりなよが、「葉っぱが無事だから大丈夫」と言っていた。
葉が弱点であることは、そこからわかっていたが、
「ここさえやられなければ」という言い方は、
逆に言えば、「葉を攻撃されたら死ぬ」ということだ。
そんな最大の弱みをわかばに言ってしまうあたり、
りなたちは、わかばのことはだいぶ信用しているようだ。
りんも、それについて焦る様子もないようだが…。
仮にわかばが敵に回っても、
「こいつにはやられないな」という余裕の表れかもしれない。
りょくちゃんの葉?
りなじ「りん姉ねも持ってるナ!」
りなっち「葉と、りょくちゃんのと、最初の人のと!」
りんが、3枚のケムリクサを体内に有しているであろうことが、ここでわかる。
「葉」というのは、「本体の葉」、
「最初の人の」というのは、「記憶の葉」のことだろう。
「りょくちゃんの」ということは、りょくの持っていた何かしらの葉を、受け継いだことになる。
りょくの本体の葉は、その亡骸が、例の位牌的黒水晶に保存してあるようなので、
それではないはずだ。
ここでりなが言う「りょくちゃんの」というものがなんなのか、作中で明確な描写はない。
りょくが特別な葉を持っていた描写もないからわからない。
「りんがりょくから受け継いだもの」と言えば、「りょくの目」である。
これは9話で、りょく自身が、「あのとき渡すんじゃなかった」と発言しているし、
事実りんはりょくと同じ超視力を行使している。
他の姉たちの能力を受け継いでいるわけでもないので、
りょくが独自の調査で知り得た
「能力を受け継ぐことができる特別なケムリクサ」を、
死の間際で使用し、それがりんに託されたのではないか。
これについては、「りょくちゃんの」に該当する葉そのものの情報が、一切無いため、
完全に筆者の憶測でしかない。
近づかれて毒を受ける、りん
りんは毒を受けないように、
2話からわかばとは一定距離を保ちつつ、
面と向かって会話しないように気をつけていたのだが、
ここで油断したのか、一気に距離を詰められた。
案の定、毒の症状が表れたので、
りんは再度距離をとる。
2話のりつとの会話から、
「わかばの近くにいる、見る、話す」ことで、毒を受けると勘違いしている。
さらにその後、わかばから受け取ったものを食べているりなも、
毒を受けたのではないかと心配する、りん。
「お前、何かしたんじゃないだろうな?」とでも言うように、わかばを睨む。
勘違いを突き進むりんさん。
次回、第3話Bパート中盤!
ケムリクサ関連のことが色々わかってきた、第3話。
テーマパークのさらに奥へと進みつつ、わかばは、りんからさらに色々聞きだす。
次回!
テーマパーク内、ジェットコースターへ!
ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
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筆者のやる気が上がり、更新頻度が早くなります。
コメント
毒を警戒する
りんさんが可愛すぎます😄
全くです。しかもいくら警戒してても、また食らってしまうし。
いつも楽しく拝見しています
ありがとうございます。 それが何より嬉しい事です。