アニメ『ケムリクサ』の考察をしていきます。
内容としては、裏設定とか、各要素のモチーフなどを考えることより、
物語をつぶさに観察して、世界やキャラの深みを掘り下げていくことに特化しています。
※筆者個人の考えに過ぎませんので、参考程度にお読み下さい。
※共感の他、間違いや別な意見などもあれば、
遠慮なくコメントして(本ページ下部から)頂ければ幸いです。
※最終話までの視聴を前提に書いています。ネタバレ必至です。
作品の公開順に追っています。
ここでは、第6話Bパートの後半(六島出口付近)について。
過去の記事はこちら。

第6話 Bパート 後半
※以降のセリフの引用(❝ ❞内)は、全て
『ケムリクサ』第6話(©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト) を出典としている。
ケムリクサのイルミネーション
この世界に、電気が通っているはずはないので、
道中の綺麗なイルミネーションは、ケムリクサだと思われる。
ここでも、キイロとアオイロのケムリクサのようだ。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
把握している「島のサイズ」
りつ「島のサイズで考えると、そろそろ壁が見えるはずなんだけどにゃあ。」
六島のサイズを、何らかの方法で確認済みのようだ。
経緯はわからないが、六島と、さらにその先の七島の位置と大きさは、
地図に記入済みだった。

【出典】『ケムリクサ』第4話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
一番考えられるのは、一島の時点で、島と島の繋ぎ目や壁も見通せた、
りょくによるものだろう。
六島の上のルートを行ったときに、りんが肉眼で地形を把握した可能性もあるが、
「大型だらけ」の危険な場所で、ここまで精密に地形がチェックできるとは、考えにくい。
かなり長い時間、六島に滞在していた
りつ「水も… そろそろ…。」
りな「そもそも七島って本当にあるのかナ? ずっとこれが続いてるかもだナ。」
作中では大きく飛ばしているようだが、
りつやりなの発言から、かなり長い時間、六島の地下道を歩いている様子だ。
特に、普段は比較的前向きなりなが、
口調は軽いとはいえ、
「本当にあるのか」「ずっとこれが続いてるかも」
と心配しているのは珍しい。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
わかばだけが、出口の風を感じる
(風の音)
わかば「あれ? これ…。 こっちから…。」
風の吹いている方向を察知したわかばだが、
りんやりなには、わからないようだ。
わかばに言われるまで、出口とは全然違う方向を向いている。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
風を感じるには、触覚に長けている必要があり、
視力や味覚はもちろん、
聴覚でも風の向きまでは察知できないだろう。
みどりの枯れ木
りつ「これ…! みどりちゃんと同じ木だにゃ!」
わかば「え? 同じ? 色が違うのによく…。」
りつ「音が同じなのにゃあ。…というか、これは前に見た…。」
「前に見た」に続く言葉が気になる。
恐らくは、以前六島のガケの上に来て、みどりの苗木を見つけた時のことで、
そのとき近くに同様の枯れ木もあったのだと思われる。
いまいち確証を持ててないのは、苗木を見つけた場所とは違うためだろう。
「どうしてこんなところに、前に見たような枯れ木が?」という感じか。
そこまで広範囲に枝と根を伸ばすほどの巨大な木があるとは、この時点では考えてもいない。
枯れ木を聴診
触れただけで、「みどりと同じ木」であることを、音で判別するりつ。
一体どれほどの聴覚があれば、そんなことが可能になるのか。
とにかく相当に精密な感覚であることだけは、改めてわかった。
木の操作には、音が重要?
わかば「じゃありつさん、これも動かせたりすんですか?」
りつ「どうかにゃあ。」
りつ「ダメだにゃあ。うんともすんともだにゃあ。」
「動かせるか」の問いに対して、早速動かしてみようとしている。
体当たりして音を伝え、手で音を探っているようだ。
りつの力を使ったと思われる緑色の波紋が見える。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
「うんともすんとも」ということは、枯れ木から、なんらかの「返答」を期待していたようだが。
りつがどうやってみどりの根っこを操作しているのかは、明確には示されていないが、
ここの一連のやり取りを見るに、「音のやり取り」が非常に重要であるようだ。
りつは度々、「みどりちゃんが喜んでる」などと発言しているのは、
比喩表現ではなく、実際に「喜んでいる音」を聴き取っているのかもしれない。
生きている枝付きは、ほぼ無い
りつ「これは… たぶん枯れてるにゃあ。
音も伸びないし、所々途切れてるみたいだしにゃあ。」
最終的に、木から返答がないことを「枯れてる」と推測しているが、
この言い方なら、
「枯れていないが、返答がない」というケースも、過去にあったということか。
例えば、わかばが拾った枝付きのウスイロのように、十分に成長していない場合でも、
返答が無いことがあるのかもしれない。
りつがウスイロの声を聞いている描写は、作中では見られない。
直前では、
りん「そもそも、生きている枝付きがほぼないからな。」
と言っている。
「枝付きがほぼ無い」ではなく、「生きている枝付きがほぼ無い」という言い方から、
「枝付きはほぼ枯れ木である」ということ示唆している。
過去に、枝付きの枯れ木を見つけては、音を確認していただろう。
ここでの聴診は、やけに手慣れている様子で、
1回や2回の経験で身についた技術ではなさそうなのである。
『みどりいろのけむりくさについて』
りょくの日記、『みどりいろのけむりくさについて』、
わかばが読み上げてくれた部分を、解析しよう。

【出典】『ケムリクサ』第6話 ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
それこそ湖
わかば「ミドリイロのケムリクサが見つかれば、大きく私たちの助けになるはず。
ただ、この辺りには使い古しも見つからないので、
あるとしたら、それこそ湖のほうかと思う。」
使い古しも見つけたことがないのに、ミドリイロのケムリクサの存在と効果を知っているのは、
りりのメモから知った可能性が高い。
これは今までも何度か取り上げているので、省略する。
「それこそ湖」という言い方は、大量の水がある夢のような場所として、
「みずうみ」の存在を知っていたようである。
恐らくは、一島で習得した知識だろう。

【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1046396731611537408
りつ「最初はそんな可能性も考えなかったにゃあ。」
「みずうみ」という存在自体は、姉妹にも共有されていたが、
あまり信じられてはいなかったようだ。
0.8話のりくも、湖について
「りょくの言ってたやつマジであった」
と発言している。
湖を見つける有益な情報
わかば「万が一、巨大な生きた枝付きのケムリクサ、
枯れてても、長い幹や根が見つかった場合、近くに、大量の水がある可能性…!
湖の近くには、きっと何かしらのケムリクサの木があるはずじゃん。
それたどれば、湖、もしくは水が見つかるかも。
「生死に関わらず、大きい幹、根をたどれば水がある」
という、水を探す上で、非常に有益な情報だが、
この情報が、りょくが生きている内に姉妹に共有されることはなかった。
この情報が無くとも、
四島の時点で、りくの触覚で、湖の存在と方向を知ることはできていたのだが…、

【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1079736476248600577
りくがいなくなった今、この情報が改めて役立つこととなった。
赤い木の存在を示唆
わかば「最も、それが安全なケムリクサとは限らないけど。」
「はじまり」、「0.5話」の時点でも、一島には小型の赤虫がいたはずで、
そいつらもケムリクサで動いていることを知ったのだろう。
水があっても、そこには赤虫か、その元となるケムリクサが生息している可能性を、
りょくは既に想像していた、ということか。
それが「赤い木」であると明確に知っていたかは不明だが、
これはりりのメモにも書いていなかったようなので、あくまで「予想」だったのだろう。
(メモに書かれていれば、わかばも読んで、6話時点で知れたはずだから)
残念で心配な姉たち
わかば「だから、姉たちにはまだ言えない。
残念な姉たちは、すぐ無理するから、危なっかしい。
心配すぎて、見てらんないじゃん。」
「すぐ無理をする」、「危なっかしい」と心配されるほどのことを、
一島の時点で行っていたらしい。
効果不明のケムリクサを手当たり次第操作する、りく。
なんでも食べて、二島までの大質量の道を作ろうとする、りな。
最終的に一人で壁を破壊した、りょく。
思いつくだけでもこれだけある。
そりゃあ心配にもなる(笑)。

【出典】https://twitter.com/irodori7/status/1046396731611537408
次回、第7話 Aパート 前半!
余談ですが、ふとBD2巻ケースの裏面を見たら、「赤虫」「赤霧」と漢字表記されていたので、
今後はここでも漢字表記することにしました。
もっと早くに気づけよ!
次回!
七島到達!

ここからも引き続き、お付き合いいただけると、幸いである。
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コメント
お疲れさまです。
地図とりつ姉の能力とで思いつくのがエコーロケーション(反響定位)。
りつ姉の持つグリッドMAPの間隔通り縦横に根を張ってエコーロケーションを使い、どの位置に何があるのかおおよその位置情報を落とし込めれば、MAPが実際の島の状況とおよそ正確だと判断しているのも分かる気がします。
※この推測は、ある程度7島までが書き込まれたMAPがすでにあった という前提での話です。(りりが船内での自分の位置把握の為持っていたモノとか)
◆どうやってりつ姉がMAP操作を理解したのかは謎のまま。w
◆地下はグリッドの様に根を張れないため、現在位置と方向が地図と照合出来ない。
◆7島以降の地形が表示されない理由が不明。
現代の研究では植物は音によって隣の植物と意思疎通をしているそうなので、りつ姉も実は常人には聞こえない音響による会話で、みどりちゃんの感情を正確に理解しているのではないでしょうか。
エコーロケーション!
イルカとかが使うやつですね。聴覚を視覚的に扱う技術。
りつにできても、おかしくはないですね。
加えて、根っこにも感覚が備わっている様子なので、伸ばせれば広い範囲を把握できるのでしょう。
マップおよび地形情報を、元々所持していた、というのは同意です。
ただ、どこで入手したかは不明です。
初期から持っていたとしたら、はじまり~0.9話のやり取りがやや不自然に感じます。
一方で、りょくがいる内に入手してないと、使い方がわからないままだったんじゃないかという気もします。
それも踏まえても、私は0.9話以降、一島に帰ったあたりで、マップを入手したと思っています。
その後の遠征(OP映像)で、マッピングをしていった、と。
マップは、触覚による操作を特に必要とせず、自動で現在位置等を表示してくれる優れものだったんですかねえ?
この辺はまた、8話あたりの考察で触れることになると思います。
植物との意思疎通ですか! おもしろいですね。
みどりの根っこについては、りつが直接操作しているのではなく、りつがみどりと意思疎通して、みどりに動いてもらっている、
とも考えられますね。
いつか我々も、りつのように植物の声が聴こえるようになったら、おもしろいです。